農家の仕事に、よその農家の作業請け負いがあります。専業農家がやることもありますし、地域で請け負い組合とかを作ってやる場合もあります。主に稲刈りと、刈り取った後の籾の処理(乾燥調整や、選別・籾すり)が対象です。田植えを請け負うこともあります。それ以外の作業(水管理や除草)の請け負いは、あまり聞きませんねえ。
 すでに高齢で作業が出来ないが、田んぼは作りたいと言う農家や、機械が買えないので、仕方なく機械を持っている農家に依頼すると言う場合があります。稲刈りに使用するコンバインは高いので、専業農家や地域の組合の合同で所有していることが多いのです。田んぼ数枚程度しか作っていない小規模農家がコンバインを所有しても絶対採算に合いません。というか厳密に考えると、大規模専業農家でもペイしません。余談ですが、コンバインは小規模農家が扱うには高すぎ、プロがハードに使うには脆弱すぎる(毎年どこかが必ず壊れ、5年ももてばかなり良い方)という、極めて不完全な機械だと思います。


 作業はたいてい我々請け負い農家と、依頼してきた農家(田んぼの持ち主)が合同でやります。合同といっても依頼元はおじいちゃんだったりおばあちゃんだったりして、労働力としてはさほど期待するものではありません。ただし全く誰も出てこないということもあまりありませんし、完全に請け負い任せにされるのもあんまりいい気はしません。作業を休日にやる場合は、仕事を休んでいる若い人や子供さんなども来る事があり、ほとんどピクニックと見まごうこともあります。もともと、昔の稲刈りはそんな感じの、親戚一同を介したイベントだった側面があります。


 さて、私たちは専業農家として一応プロですから、それなりのノウハウと言う物があります。稲刈りと言う作業自体にもコツみたいな物があるのですが、その前に田植えや施肥、水管理などそれぞれにいちいち技術があり、細かな積み重ねでもって稲刈りに立ち向かいます。田植えのちょっとしたやり方で、稲刈りの効率が全く変わって来る事がよくあります。ある意味では、田起こしからすでに稲刈りが始まっていると言っても過言ではありません。
 ところが、失礼ながら小規模に生産している農家のこのようなノウハウを持ち合わせていないことがよくあります。まあ、プロ農家と言ってもそれぞれ一件一件に違うやり方があるので、完全に我々のやり方と合致することなど最初からありえないのですが、それでもプロならば決して行わないことが平気で行われていることもよくあります。
 田んぼに関しての技術はまあ細かいことなので書き始めるといろいろありすぎるのですが、私が個人的に困るのは、朝、田んぼに到着したばかりでさあ取りかかるかと言う時にいきなり、「ちょっとお茶でも飲んで一服してから、やんわりと始めるか~~」・・・なぜ??(^^;朝ごはんも水分もちゃんと摂ってきたからそんなのいらないよ~~。こういう人は一杯います。作業中もすぐに休憩したがります。
 もちろん悪気のない、あくまでも純粋な気遣いなのですが、こういう人たちってつまり、日中いっぱいかかって仕事を仕上げてくれればそれでいいんですね。ところが我々は、仕事をするのは早ければ早いほど他の仕事にも手を回せますから、とにかく効率を考えてさっさとやってしまいたいのです。そりゃ休憩もしますけど、朝一番にはしませんね(^^;;


 自分たちの分の稲刈りは一番後回しです。よその田んぼから、稲がほとんど見えなくなったころからやっと取りかかります。田植えもその分遅かったんですけどね。おかげで雑草の伸びが凄いです


koume