野菜とかもやっている農家さんには怒られそうですが、水稲専門のウチは先月からついに仕事が始まりました。それまでほとんどずーっと遊んでいたんですが(^^;
ただ、仕事が始まってからほぼ一ヶ月の間、まだ一日も休みはありません。これからしばらくも無いでしょう。農業ってそんなもんで、仕事に後から後から追いまくられるんですよね。春の水稲の仕事はほとんど、雨が降っても出来るので、休もうと思ってもなかなか休めません。
今やってる仕事は主に、種まきとそれのための床作りです。本当は田んぼに行って畦塗りとかもしたいんですが、今年の天気はおかしい!春らしい日が一日も無いです。雨ばっかりでやたら寒いか、逆に20℃もあって妙に暑いか(そういう日も2日くらいしかなかったけど)だけです。田んぼ仕事はある程度晴れの日が続いて、土壌が堅くならないと出来ないので。
種まきは苗箱というプラスチック製(昔は木で出来ていた)の箱を使ってやります。あまり大きくは無い薄い苗箱にまずは薄く土を敷き(これが床作り)、その上にぱらぱらと種籾を撒き、水や農薬や場合によっては肥料なども撒き、土をかぶせてとりあえずは出来上がりです。
それを高温(30度くらい)多湿の環境に置き(それ用の育苗機と言うものがあります。ちなみにPSE対象)、発芽させます。発芽したものをビニールハウスなどでひろーく並べ、本格的に伸ばし、いい頃合まで育ったら田植えです。
種まき作業と言えば、種子消毒の問題が今あります。上でも農薬を撒くと書きましたが、種を撒く前にも種自体の消毒をします。目的は、主に病気の予防です。
この方法のメリットは、田んぼに植えたときに同じ目的の農薬を撒くことに比べて、撒く量を大幅に少なく出来ることです。2桁以上少なくなります。もちろんコストも安くなります。
また、種に農薬を使ったとしても、それが作物として収穫された後にまで残留しているなどありえないことです。普通に田んぼで使われる農薬でも、植物はしっかり代謝して残留がほとんどなくなってしまうものなのに種子の状態で使われた農薬などそんなものの影響は考えるだけ馬鹿馬鹿しい。
んが、そんな馬鹿馬鹿しいことをくそ真面目に捉えて、種子消毒のやり方が間違っていたと言う理由で熊本県のメロン約4億円分が廃棄されたそうです。
詳しくはこちらで記事になっています。
http://biotech.nikkeibp.co.jp/fsn/kiji.jsp?kiji=605
「風評被害」を恐れたそうですが、根拠のある風評ならともかく、完璧に間違った風評に従ってどうする!まずはその風評自体を何とかするのがJAや農水省の仕事だろうに、そんな風評に従ってしまうから、ますます風評が現実味を帯びてしまうのだ。実際、世の中は「風評」ほど農薬を恐れていないんじゃないかと思うんですがどうでしょうか。
ところで本日18時ちょうど、「びービーミツバチ」と言うニュース番組で、都内で鳩が40羽以上死ぬと言う事態が起こり、自称・鳩の生態に詳しいという獣医が鳩が死んでいた付近に落ちていたトウモロコシを見て「これについた緑色は農薬を溶かした色だ。鳩が農薬を飲んだ可能性がある」というようなことを言っていました。他のニュース番組でも取り上げられたかもしれません。そんなことを言われたらまた、農家に対する農薬使用の風当たりが強くなりそうなものですね。
あの色は農薬だとしたらプリグロックスかなんかだと思いますが、確かにこの農薬(除草剤)は毒物指定されているようなもので人間が直に飲むと必ず死ぬほどの代物ですが、しかしそれがついたトウモロコシというのは間違いなく鳩を殺すことを目的とした愉快犯の仕業です。農家ならば、わざわざ商品作物にそんな薬はかけないので、そういう商品が流通していることなどありえません。
「農薬が農産物に与える影響」ってのがいったいどういうものか、ほとんどの消費者の方は知らないと思いますが、毒素として農産物に残るなんてとんでもない。「ちょっと表面の色が変わる」程度でもそれは薬害として廃棄されてしまうような、そこまで厳しいものなのです農薬って。だから、緑色に変色したトウモロコシは、スーパーなどで買ってきたものにわざわざ着色しないと出来ないんです。
農薬にはもちろん、禁止すべき使い方があります。直接飲ませればもちろん、人を殺すことは簡単に出来ます。
しかしだからと言って、農薬が悪いものだと言うことが出来ないのは当然です。いかなるものでも、使いようによっては悪いものになりうるからです。農薬を相手にして仕事をしているものとして、農薬に間違った責任を押し付けるような報道は許せない。包丁殺人が起こったとして、その責任を包丁に転嫁する人はまずいません。農薬ならばそれが簡単に起こるのだから不思議なものです。
記事書いてる途中にいきなりそんなニュースを見てしまったので、追加してしまいました。こういう報道が、ますます強固な風評被害を生んでいきます。
koume