うちの稲刈り、やっと60%くらい終わりました。コシヒカリなどのうるち米の刈り取りが終わり、あとはもち米を残すのみですがそのもち米の田んぼがだいたい60枚くらいあります(^^;
 忙しいのはもちろん続いてるんですがコシヒカリがやっと終わったということで一息ついて、久しぶりに市井に目を向けてみると面白いことが起こってるじゃあありませんか。ネタが微妙に古いのはそういうわけです(^^;


 別にブームは終わったわけではありませんが、「終焉」と書いたのは、終わればいいなあという願望と、少年小説によくある「終わりの始まり」みたいな意味で。どうでもいいんですけど。
 というわけでアガリクス推奨本を書いていた自称医学博士が薬事法違反で逮捕されました
http://www.asahi.com/health/news/TKY200510050094.html


 アガリクス以外にも、昨今は本当に健康食品や妙な成分・サプリメントがブームで、メシマコブコエンザイムQ10αリポ酸、古くはマイナスイオンや遠赤外線、トルマリンなどなどてんこもりです。関係ないけどアガリクスって言うのは俗名で、本当は「ヒメマツタケ」って言うんですって。なんかそっちのほうがイメージよさそう(^^;
 諸悪の根源というか、最大の元凶は、日曜の夜9時からやってる某健康バラエティ番組あたりだと個人的には思うのですがあれって本当にくだらないですね。最近は特に。こないだなんか、話をチラッと聞いて馬鹿にする気すら失せましたよ。なんなんだ性格診断スペシャルって・・・


 話が少しそれましたが、ああいう「劇的な効果がある新発見成分!!」みたいなものって、広告とか見たらすごくよく似た物があるんですよね。
 それは例えば、おじさんとかが読むマンガ雑誌などの裏表紙に載ってる「奇跡の成功体験談!○○パワーを秘めたネックレス」みたいなヤツです。


 私は以前、竹書房の「まんがくらぶ」というのを愛読していましたが(みずしな孝之や森下裕美が好きです)、裏表紙には必ずそういうのが載っていました。
 当時よくあったのが「トルマリンパワー」で、荒唐無稽な物には、飯粒に偉いお坊さんが筆で名前を書き込んだ脅威の「名入れパワー」ってのもあったな。
 たいてい「全米マスコミ騒然」で、体験記が載ってて、それによると、これまで女にも持てず金もなかったさえない男がこれらのアクセサリーを買って身につけたとたん、宝くじに当たる競馬は万馬券だわ仕事は死ぬほどうまくいって女にもモテまくり自家用ジェットと数台の高級車(ただし「わ」ナンバー・笑)を乗り回して、札束でいっぱいのバスタブで美女(?ちょっと微妙)と一緒ににっこり、ってパターンです。


 ああいうものに騙される人って本当にいるのか?と昔は思っていたんですがどうやら娑婆にはそういう人が本気で多いらしい、とわかって来て、これこそサプリかなんかで改善してほしいと冗談で思ったりもしますが、常識的な知識と判断力、理性があれば普通に回避できそうな事柄なんですけどね。αリポ酸を「サプリ先進国アメリカで今一番話題の成分!」って紹介してたのを見たときは吹き出しそうになったけど、構造は同じなんですよね。違うのは、大手のマスコミがやってるかどうかってことだけでね。


 ただアガリクスが悪質だといわれているのは、つまり末期がんの患者はそういう「常識的な判断力」が著しく制限されており、つまり藁をも掴むという心境のために視野狭窄に陥っているという事情に付け込んだ商法だということで、これは特に酷いとついに司直のメスが入りましたが、実際にはほかのものだって、正常な判断ができる(はずの)相手を騙しているという点以外は同じなんですけどね。


 不思議に思うのは、結局一番悪いのはアガリクスなんぞに医療的な効能を書いて売っている業者だと思うのですが、もちろん本も悪いけども順番が違うような・・・


 言論の自由出版の自由という物がある限り基本的には、本にはどんな嘘や間違いが書いてあってもかまわないわけです。というか実際、一見科学的な内容を売りにして普通に売ってる本でも内容は鬼のように間違ってる、有害とすら思える本はたくさんあるそうです。


 さて本が役に立たないとなれば、正しい判断を自前で行う必要があって、いかに騙されないかしっかり心構えをしておく必要があるのですがこれはそんなに難しくないんです。
 というのは、大事なのはほんのいくつかの常識だけであり、それさえしっかり頭の隅において置けば怪しいものはかなり排除できるのです。


 まず、「健康食品」という括りはそもそも怪しいと思わないといけないでしょう。
 「特定保健用食品」など、認可が下りているものは話が別になりますが、基本的に全ての食品は健康であり不健康でもあります。「健康によい食品」と「それ以外の食品」があるのではありません。
 どんな食品にもしっかり調べればそれなりに良い成分が含まれていて、当たり前ですが、まったくもって害悪しかない食品などすでに淘汰されているはずなのです。某あるあるなど以前、マヨネーズすら健康に良いといって紹介していたことがありました。マヨネーズはどんなに言ってもスーパーハイカロリーな食品であって、摂りすぎは太るしコレステロールもでかいです。
 最も基本的でかつ重要なのは、いろんな食品をバランスよく食べることであって、「健康食品」ばかり食べるのはむしろ偏りが発生して不健康である場合があります。


 また、奇跡のようなすごい効果を持った食品などはないと考えるべきです。食べるだけでやせる食品。病気がなくなる食品。ありえません。
 そんな効果を持ったものが本当にあればすでに世間に知れ渡っているはずで、いまさら「新発見」という物はものすごい最先端で開発された医薬品以外ありえません。自然界にある食品を食べただけで明らかな効果、などというネタはすでに掘り尽くされていると考えるべきです。
 また、すごい効果があるものは、同時にすごい副作用もあるのが普通です。アガリクスはガン根治100%といっていたようですが、通常の抗がん剤に大変な副作用がありしかも根治はなかなか難しいという現状があるのに、アガリクスはノーリスクというのはどう考えても奇妙です。もちろん、副作用がまったく無い物は作用も無いのです。
 そもそも、作用と副作用という言葉は人間の都合で分けられているに過ぎず、結局はそれらも全てひっくるめて「作用」と考えるほうが自然です。「発酵」と「腐敗」の違いのような物で、つまり人間に有用な物が出来る場合を「発酵」できない場合「腐敗」と言っているだけで、現象的には両者に違いは無いというのと同じです。


 もう一つは、統計の基礎です。例えば「日本人の80%が悩んでいる症状を緩和!」という宣伝文句。そういうの結構あるようですが、「日本人の80%が悩む」と言うことはつまり「それで当たり前」と言うことです。治療の必要が無いような事例をことさらにピックアップしているだけに過ぎません。
 以前、コエンザイムQ10を「成人の体内では自分で作ることができないため、加齢とともにどんどん減少するから、サプリで摂るしかない」と宣伝していたことがありましたが、これも典型的で、つまり最初からこんな物を摂取する必要などないのです。


 健康食品ビジネスは、食品を扱う物の端くれとしては本当に胡散臭く思えて嫌な商売です。一刻も早く潰れてほしいと思っていますがとりあえずはテレビでいまだに放送しているいくつかの健康バラエティ番組(NHKのだけは除く)の打ち切りと、なんと言ってもラジオショッピングの宣伝!!あれはときたま聞きますけど噴飯物です。奇想天外支離滅裂の代表例です。


 長くなりましたが、最後に素晴らしいウェブページを紹介します。こちら
 http://hfnet.nih.go.jp/
 独立行政法人 国立健康・栄養研究所のページです。記事もいろいろ出ていますが分かりやすくて面白い。また、ものすごくいろいろな食品・食品成分のデータも豊富に載っています。いろいろ検索してみてください。巷で流行っている「健康食品」のほとんどに、信頼できるような裏づけは実は何も無い、というのがわかるはずです。


koume