■ 検査について


 米を消費者に販売する場合、その販売用の袋に「コシヒカリ」など品種名や産地名、年産などを表示する場合にはその米のそれらデータが本当に正しいかどうか検査を受ける必要があります。
 この検査というのは通常、販売する際にいちいち受けるのではなく(そうしてもいいかもしれないけど)、収穫が終わって玄米の形で揃った時に一斉に行われます。


 この検査を受けることにより、米はその品種・生産年・生産場所の表示をすることができるようになります。検査を受けてない米はそのまんまの名前ですが「未検査米」と呼ばれ、「国産米」という表示になり、それ以上の情報を表示することは許されません。たとえ明らかに全量平成16年産・新潟県産の米であっても、未検査米は単に「国産米」として扱われます。


 これはとても当たり前の仕組みで、誰もが納得できる内容、というかやって当然と思えるようなことです。この制度そのものに対して、ケチをつけるような箇所はありません。


 問題は、この制度、一昨年になってから、やっと実行されている方法だということです。
 
 や、もう実行されているから現状は問題ではないんですけど、こんな当たり前と思えることを今までやってなかったってとこがすごいです。農業業界全体に、いろんな意味で、かなり未成熟な部分があるんですよね。


 ちなみにこの制度が実行される前までは、未検査米でも品種名を表示してもOKで、その内容に関しては「業者の良識に任せる」って感じだったようです。
 がもちろん、不心得な業者ってのは世の中には必ずいて、例えば聞いた話ではある茨城県産のコシヒカリ100%をチェックしてみたところ、その中には一粒のコシヒカリも含まれていなかったという事態もあったそうで、ほとんど笑い話みたいです。


 まぁこれは、遅まきながらではあっても、制度が「良くなった」面ですね。



■ 検査について 2


 実は今までは半分ネタ振りだったんですけど(^^;
 上の文章、冒頭に「米を消費者に販売する場合」と書きました。
 米の販売先には、消費者以外にも大きいものが一つあります。それは、業務用販売です。要するにレストランなどの外食産業向けや、和菓子やおせんべいなどへの加工用米です。


 実は今でも、この業務用販売においては、検査してあるかどうかはほとんど関係ありません


 それは例えば、あるレストランで米を入荷し、お客様に提供する場合、購入したのが未検査米だったとしても店頭で「新潟産新米コシヒカリ100%使用」と謳うことができるのです。


 もちろん、それが虚偽だった場合(実際には新潟産コシヒカリではなかった場合)はお客さんを騙してるわけですから、何らかの法に触れるでしょうし、そもそも店の信用も落ちるでしょう。
 また、もちろん業務用米で検査済みのものを仕入れたとしてもなんら問題はないので、誠実な業者ならばちゃんと検査済みの米を選択して購入しますし表示も米のものを守ります。


 ただし中には、「これは間違いなく新潟で作ったコシヒカリだから」と言う未検査米を販売・購入する業者もいます。

 未検査にこだわるのはなぜかというと、簡単に言えばコストの問題で、検査済みで等級のついた米よりも、未検査のものは通常はかなり安価です。業務用は扱う量も大きい場合が多いので、このコストダウンはバカにできないものです。


 中身が確かに新潟産コシヒカリで間違いなければ、検査済みだろうが未検査だろうが内容は間違っていません。確かにそれは、理屈上は正しいです。
 しかし、その部分に不正が働く恐れは確かに含みます。


 一般的に評判の高い、いわゆるブランド米を使うということは店にとってはイメージの向上に役立ちますから、例えば他県産のもっと安い米を持ってきて、名前だけでも「新潟産」と謳っておけば儲かります。そしてそういうことをしても、米販売業者とレストランの間の伝票には違法な部分はないことになっています。
 お客さんが食べてみて、何かおかしいな?と思えば問題にもなるでしょうが、そこまで米の食べわけができる人など滅多にいませんし、炊き方・調理の仕方でも味は大いに変わります。


 なぜこの部分は制度的に、未だに放っておかれているのでしょうか?上に書いたような疑念も、ちゃんと検査済みのものを動かすことと決めてしまえば、かなり緩和できると思うし、違法な行為があった場合のチェックも簡単です。今の場合は、その米をDNA鑑定でもしないと品種・産地まで特定できないからです。(未検査米ならば米袋に書いてある内容は信用できないし、そもそも無地の袋を使うこともある)


 不公平でアンバランスな制度です。消費者の方々は、ほとんど知らないことなんですけど。


koume