農業をやったことのない人が、米作りの作業について考えるとなると、その内容は「田植え」「稲刈り」あたりであって、せいぜい「荒起こし」「代掻き」「肥料やり」が出てくる程度かと思います。
 しかしこれらの作業は田んぼ1枚あたりそれぞれ30分程度しかかからない楽勝な作業でして(楽勝はちょっと言いすぎか)、つまり米作りというのは、これらの作業以外の200日間で何をしてるか、がもっと大変で本質的な部分なのです。


 「しんどい作業」の代表例がこれ。田の草取りです。読んで字のごとく、田んぼの中に入って、雑草を取っていく作業です。


 田んぼの中の雑草は、せっかく田んぼにある肥料分(有機だろうがなんだろうが)を横取りするし、雑草が大きくなってしっかりした根を張ってしまうと稲刈りの時にコンバインに絡まったりしてものすごい邪魔になるので、とにかく害になるものは全て取る必要があります。


 もちろん、雑草に対しては、除草剤というものがあります。非農業者からは諸悪の根源のように言われる農薬ですが、そういう人たちが知らない除草剤の事情と言うものに、「除草剤は、全ての草に効くわけではない」ってのがあります。薬によって効き方も違いますが、草の種類によってよく効いたり、逆に全く効かないなんてのもあります。
 当たり前ですが、稲に効く除草剤ってのもあります。そういうものが田んぼの中に入ってしまうと、米は一発で全滅ですので、田んぼの中に入れられる除草剤は限られます。


 余談ですが、除草剤をまくと田んぼの中の微生物が全滅して・・・とか言うエコロジストの話はよく聞きますが、たとえば除草剤が効かない雑草は、その農薬がかかった後でも平気で生えていて、すごくでっかくなったりするんですよ。つまり、微生物も栄養素も普通に生きてるじゃないか。そりゃ、よっぽどきついかけ方をしたら死ぬでしょうけど・・・その場合はもちろん、稲も死にますね。


 さてさて田の草取りですが、これが作業前の状態です。


田の草前

 ちなみにこの田んぼ、除草剤を少しやってあるので、これでもかなり草は抑えられています。
 これを、


田の草後

 こうする作業です。


 すごいきつい作業です。仕事のハードさで言えば、1年中でもっともきついランクに入ります。以前ほかの記事に書いたことがありますが、3人で丸一日作業して、田んぼ3枚分くらいしかできません。田んぼ3枚がどれくらいの面積かと言うと、一枚が1反で約300坪ですから、3枚でだいたい900坪くらいです。
 毎日農作業している私でも、これの翌日(つまり、今日)は下半身、特に腿の裏が完全に筋肉痛です。たぶん素人の人がいきなりやるとしたら、田んぼの手前の端から向こうの岸までノンストップでたどり着くことはできないでしょう。多分途中でダウンして、休憩が必要になるはずです。


 農薬・除草剤を毛嫌いするエコロジストの方々にはぜひ体験してもらいたい作業です。連絡くだされば、いつでも田んぼは用意しますよ(笑


koume