ワインの価格に関しては以前書いたことがありますが、ワインの質やヴィンテージなどだけではなく、風評で乱高下することが多いのがある意味困り者です。
最近は少し落ち着いてきたらしいのですが、マンガ「ソムリエ」で、ロマネ・コンティと見まごうほどのワインとして紹介されたために、カリフォルニアのカレラ ピノ・ノワール ジェンセンが市場からあっという間に消えたことがありました。「新ソムリエ」では、オーストラリアのコールドストリーム・ヒルズが同じことになりました。「神の雫」の影響ではシャトー・モン・ペラが値上がりしているそうですが、私はあのマンガはまったく信用していないのでモン・ペラは探してすらいません(笑
ヴィンテージに関しても、その実力以外にも、風評で価値が上昇・下降する事があるらしく、私のある知り合いのソムリエは「90年ヴィンテージは世紀のヴィンテージと呼ばれてはいるが、88年や89年ほどの実力はない」といっていました。私自身は、90年のワインなんてそんな大それた価格のものはほとんど飲んでいないのでその真偽のほどはよくわからないのですが(^^;、ワイン・ブームに合わせて赤ワインにやたら高い価格が付いていたことを考えると、これらの年代のワインの価格がそのまま実力を反映していると考えるのは判断が早そうです。
そもそもブームといえば、バブルの頃に大流行したボージョレ・ヌーヴォーほど酷い扱いを受けたワインはないでしょう。もちろん今でも高いヌーヴォーはありますが、あの頃のヌーヴォーはやたら高かった覚えがあります。まぁその頃の私は、まだワインが飲める年齢じゃなかったから、あやふやですけど。
しかしその後、ヌーヴォー・ブームが過ぎ去るとその評価は急落し、「ヌーヴォーを飲むなんて、ワインを知らないドシロートだけだ」なんて事がまことしやかに語られるほどまでになりました。また、ヌーヴォーのみが恐ろしく一人歩きしたために、ヌーヴォー(新酒)以外のボージョレ・ワインも同じ評価をかぶることになり、「ボージョレ=安物の低品質ワイン」というイメージが、ワインを飲まない人にまで行き渡る事になってしまいました。
現在のヌーヴォーはまた少しずつ人気が出てきて、それなりに飲まれるようになっていますが、「その年のすべてのワインの出来を占う存在」とか、やたらな持ち上げ方をされている事柄もよく見かけますし、ボージョレ・イコール・ヌーヴォーというイメージは未だに払拭されていません。
ちなみに私は、ボージョレのワインはけっこう好きです。しかし、ヌーヴォーはめったに飲みません。味がどうこうよりも、少し良いもんのヌーヴォーになると3000円くらいしてしまうのはちょっと高すぎると思うからです。まぁ、ヌーヴォーはある意味縁起物的な扱いを受けているので、高くてもいいのかもしれないし、飲んでいる人を非難するつもりはまったくありません。
流行の落ち着く先は、廃れるか、またはそれが常識化するかのどちらかです。ワイン・ブームがどちらに落ち着くのかは分かりませんが、少なくともブームの状態は、消費者にとって得になることはあまり多くなさそうです。モン・ペラも近い将来、きっとまた安くなることでしょう
koume