血管もほろ酔いついでに若返り

日本酒を飲んで頬がほんのり染まってきたら、それは血行が良くなっているというサイン。適量の日本酒すなわちアルコールは血管を拡大させ、血液を流れやすくします。そして、日本酒に含まれる成分は、LDLコレステロール(悪玉と呼ばれているもの・・・(^^;)が酸化するのを防ぎ、HDLコレステロール(いわゆる善玉)を増やすというデータが報告されています(1-3)。

世間的にはLDLコレステロールは悪玉、HDLコレステロールは善玉と呼び、LDLコレステロールを排除すべく!という「きらい」がありますが・・・どーも誤解があるよーで、まずは・・・(^^;

血中コレステロールは、食物からの供給は3割に満たず、大半は体内での生合成で供給されます。その主たる合成・調節臓器は肝臓です。
で、肝臓から全身組織へのコレステロール供給は血液を介して主にLDLコレステロールの形で運ばれます。コレステロールは生体を構成する細胞の膜に必要な成分であり、男女に必要な互いの性ホルモンの合成にも必要です。食物を消化する胆汁酸や、血管壁の構成成分でもある重要なものです。
一方、組織に散らばったコレステロールは主にHDLコレステロールの形で肝臓まで運ばれます。HDLコレステロールは抗動脈硬化作用を有するとされています。

ここで!
肝臓からのLDLコレステロール値が不足するとどうなるか・・・・血管壁がもろくなって血管破裂や脳卒中が起こりやすくなることが認められています。しかし、過多になると血管壁が厚くなりやすくなり、血が詰まりやすくなることで冠動脈疾患のリスクが高くなるため、「悪玉コレステロール」と一方的に呼ばれてきたのでしょう。 そんな中でHDLコレステロールの増加は何を意味するか・・・・ある程度の増加は「悪玉コレステロール」の減少でもありますから、動脈硬化などのリスクを減少させることができます。だから「善玉コレステロール」と呼ばれてます。しかし過度の増加はLDLコレステロールの不足=脳卒中のリスクにつながります。どちらかが増えすぎても減りすぎてもいけない・・・どちらかが「悪玉」でどちらかが「善玉」ということはないのです。

さて、閑話休題。

血中コレステロールが増加するとHDLコレステロールもLDLコレステロールも当然増加しますが、何らかのバランスが崩れると、その均衡も崩れるらしいです。そして、もしLDLコレステロールの割合が高い場合、日本酒を飲むと含まれる成分によってLDLコレステロール値が減少し、HDLコレステロール増加するということが、明らかになってきました。40~59歳の男性を対象にしたある実験では、日本酒を日に2合飲む人は全く飲まない人に比べて、HDLコレステロール値が高かったそうです。
この実験では総コレステロール値が不明なため、元々のHDLコレステロール値からどのくらい上がったかは知りませんが、結論で少なくとも適度の飲酒は心臓病にはなりにくくなると考察されていました。
心筋梗塞の発生原因のひとつに、高脂質血症(高コレステロール血症)がありますが、お酒は直接関係しません。しかし、普段からお酒を飲んでいる人は心筋梗塞にかかりにくいというデータが、日本にもアメリカにもいろいろとあります。ある実験では、その発生率は1/3に減るというものでした。

でも過度の飲酒は肝臓を傷めるので、基本は適量ですから~(笑
しかし、私は週にワインと日本酒合わせて2~3本ぐらい開けてますが、そのせいかは知らんがコレステロール値が低すぎ(140ぐらい)なんだよなぁ(^^; 何故か、γ-GTP値も低いしー。こりゃHDL、LDLと言う以前の問題です(爆死

[一番病気にかかりにくいコレステロール値は200~220mg/dlであり、それ以下だと動脈硬化や心筋梗塞に、それ以下だと脳卒中やうつ病にかかりやすくなる]

参照文献
1) The relation of alcohol intake to constitutional and biochemical variables in Japanese populations.(Nippon Koshu Eisei Zasshi. 1996 Feb;43(2):86-101.)
2) Life-style and serum lipids and lipoproteins.(J Atheroscler Thromb. 2000;7(4):177-97.)
3) The relationship between alcohol and mortality among Japanese physicians.(Int J Epidemiol. 1983 Dec;12(4):437-41.)

suzu