私は、ワイン選びについて、はっきりと納得できる説明には今まであまり当ったことがありません。というか、ほとんどの説明が実践的ではないような気がします。
初心者向けのワイン本に書いてあるのはたいてい、おすすめの銘柄か、せいぜいで良い生産者のことばっかりで、いまいち役に立たないと思います。なぜ役に立たないかというと、ワインショップには数え切れないほどの種類のワインがありますが、その中からその「おすすめワイン」をそのものずばり探し出すのは面倒くさいし、だいたいからして、探してる銘柄が店に売ってないことも頻繁にあります。
名生産者のことなんかもっと役に立たなくて、店頭でワインのラベルを見ても日本語で書かれた値札を見ても、初心者はどこに生産者の名前が書いてあるか一目では分かりません。例えばドイツの、「キートリッヒャー・グレーフェンベルク・リースリング・シュペトレーゼ・ロバート・ヴァイル」なんて書かれたワインを見て、いったいどの単語が何を意味しているのかが分かるのはワインにそれなりに精通した人だけでしょう。まぁ名前が複雑でややこしくて分かりにくいのはドイツワインの欠点なのですが、フランスワインでも「ムルソー・ペリエール・コント・ラフォン」とか言われてもそれが何のことかさっぱりわけ分からん、と思うことは想像に難くありません。
以前書きましたが、「神の雫」というマンガの一回目のコラムで取り上げられた「ヴィンテージを参考にしてワインを選ぶ」なんてのはもっと最低で、グレートヴィンテージでもつまらないワイン、良くないヴィンテージでも素晴しいワインなんてのは無数にあり、同じ銘柄で違うヴィンテージのワインがあれば多少は参考になるにしても、そうでなければヴィンテージなど全く要らない心配で、害あっても利無しとすら言えるような考えだと思います。
で私は以前、ぶどうの品種を参考にしてワインを選ぶ 、という考えを書いたことがあります。これは我ながら実践的な考えだろうと思ってはいるのですが、ぶどうの品種にしたところが最低でも赤白それぞれ5種類は覚えないといけないわけだし、これだってワインの名前のどこに品種が書いてあるのかを見極めなければなりません。
で、ここでワイン入門などの本にはほとんど書かれない、超実践向けのワインの選び方を紹介しようと思います。
・・・ってそんな大層なもんではないのですが、書いてみれば単純「ラベルの見た目や、名前で選ぶ」
なんか乱暴な選び方ですが、例えば音楽CDを買うときだって、ジャケ買いと言われる、要するにジャケットの見た目を当てにして選ぶ方法があるじゃないですか。それと同じです。
そんなのでいいワインに出会えるはずがないと、理屈では確かにそう思うのですが、でもラベルの見た目で選んでも意外とハズレは引かないのです。ある知り合いと一緒にワインを見るときは、「このエチケット(ラベルのこと)、美味しそうだね」とか言ったりしています。ただきれいなラベルと言うだけでなく、なんだか美味しそうなオーラを発する、そんなラベルがあるんです。
ラベルの見た目だけではなく、名前の印象もワインを選ぶ手がかりになります。これの場合はかっこいい名前を追うのもいいですが、少し意味も含めることが出来れば食事を盛り上げることも出来ます。
例えばワインを飲む席で、車好きの人がいれば、私が以前紹介したワイン「トレスコーネ・フィオリータ・ランボルギーニ」
ならそれだけで印象は深いでしょうし、喜ばれると思います。お酒の味は酒そのものはもちろんですが、その場の雰囲気やメンバーによっても大きく左右されますから、こういう所に凝ると意外と効果絶大です。
私の、天文が好きな友人は、「エクリプス」と言うスパークリング・ワインを買って大事に飲んでいます。飛行機好きな人には「ミラージュ」などの戦闘機で有名な航空機メーカーのワイン「シャトー・ダッソー」がありますし、グレッグ・ノーマンやフランシス・F・コッポラのワインはファンなら一度は飲みたいでしょう。
ワインに親しむ為に必要なことは、もちろんワインを飲むことですが、特に「自分で選んだワインを飲む」事が大事だと思います。なぜなら、私の主観ですが、自分で選んだワインならば美味しくなくても結構印象には残ってて、覚えているのですが、誰かに選んでもらって飲ませてもらったワインは後で印象に残らないのです。気のせいかもしれませんが、そういうワインのほうが、印象に残らないワインよりも美味しくも感じます。