koumeです。今回は、高いワインのことを書きます。

 

 安いワインは400円程度のものからありますが、高いワインってのもいっぱいあります。数万円のものも珍しくないですし、数10万円ってのも探せば簡単に見つかります。古いものも混ぜると、まぁ一般の市場にはでてこないでしょうが、数千万円とか・・・
 なぜこんな価格のワインがあるのか、と誰でも思うところですが、理由は?と書いてしまうと一番単純には、それでも買う人がいるからです。

 ただ、「金持ちだから、買える」というものではないと思います。「それだけの価値を認めるから、そういう値段でも買う人がいる」ということだと思います。ただ単に金を持っているから買う、というのはそもそも生産者に失礼だし、そういう人たちに買ってもらうために高い価格がついているわけでもありません。奇麗事かもしれませんけど。

 

 * 話は横道にそれますが、私の知り合いに、ある百貨店のワイン売り場に勤めるワイン・アドバイザーがいますが、結構高額のワインを揃えるその店で「最近ワインセラーを買ったので、この棚のワイン、右から左まで全部頂戴」なんて買い物をしたお金持ち風のおばさんがいたそうです。まあ相手はお客さんなので、断るわけにもいかなかったのでしょうが、あまりにワインに敬意を払わない扱いに悔しさがこみ上げてきたそうです。

 

 ** さらに横道ですが、「ワインに敬意」などとことさら書いていますが、私は別にワインに権威付けをしようと思っているわけではありません。ワインだけでなく、日本酒にもウイスキーにも、米だろうが野菜だろうがブランド物のバッグだろうがなんだろうが、高かろうが安かろうが、製品には生産者の手のかかっていないものはありませんから、あらゆる全てのものには当然の敬意を払うべきです。当然以上の、崇拝的なものはいりませんが。

 

 横道が大きくなりましたが、ワインの価値にはいろいろなものがあります。味はもちろんですが、中にはフランスの歴史や文化そのものといったワインも存在し、そういうものは特に高額で取引されています。
 フランスでも最高ランクのワイン生産者には、かなりの古い歴史を持っているものが数多くあります。例えばシャトー・カルボニューという銘柄は12世紀の記録にも登場します。ボルドーのメドック地区にある有名な赤ワインの「格付け」は1855年に決まりました。150年前です。61銘柄の赤ワインが1級から5級までに分類されましたが、その61銘柄は現在でも全て現存します(名前が変わったものが一つ、格付けが変わった(2級から1級)ものが一つある)。格付け1級のワインは、現在は5種類(ものの本によっては4種類)ありますが、全て大昔から最高の赤ワインでしたし、今でも最高の赤ワインです。
 昔から今まで現存しているからすごい、といいたいのではありません。昔から今まで、何百年以上も変わらず、超一流の最高水準の品質を守り続けている、ということがすごいのです。ほとんど感動に値します。

 「変わらず」と書いたのは、間違いかもしれません。数百年のうちには時代背景の変化や消費者の味覚、趣味嗜好の変化、醸造技術やぶどうの栽培技術の変化など、数え切れないほどの大きな変化があったはずです。それらがあっても、それでもずっと最高のワインを造り続けていたというのは、ある意味、変わり続けてきた結果であるといえます。
 正にフランスの歴史、伝統が込められた飲み物が、ここにあるのです。
 こういうワインを楽しむ時には、味はもちろん、その感動もともに味わうものだ、と言ってもいいと思います。

 

 私は、シャトー・マルゴーの98年ヴィンテージを一本持っていますが、なかなかおろそかには飲めないなあ、とワインを前に緊張したりすることがあります。ほとんどアホですね(笑