この時期ドイツは生の白アスパラ、
ドイツ語でシュパーゲルが旬を迎えます。
日本ではなかなか新鮮な白アスパラを食べられる
機会がないので、ドイツ生活の最後にまた
この季節を迎えられてうれしいです。
ドイツ人にとってシュパーゲルは
日本のタケノコやフキノトウのように
春を告げる大切な食べ物です。
普段財布のひもの固いドイツ人でも
この時期、シュパーゲルにはお金を
惜しみません。
旬の時期で、質によっても差はありますが
だいたい1キロ7~9ユーロくらい。
1キロというと中太のものが15本ほどなので
1本換算すると50セント(日本円で70円)と
考えるとドイツ人にとってはかなりのぜいたく品。
(ちなみに小型パン1こ20セントくらい、
ビール1本50セントくらい。)
ドイツ料理のレストランではシュパーゲルのプレートが
20ユーロ(2800円)くらいしたりします。
私は家の近所にある野菜の直売所で毎年
シュパーゲルを買います。
新鮮なシュパーゲルは手で持つとひんやり
冷たく、皮をむけば中から水分がジュワっと
溢れるほどみずみずしいものです。
シュパーゲルはなによりも鮮度が命。
スーパーの野菜売り場で束になって売られて
いるものは乾燥して割れていたりして、
まったくおいしくありませんので、
あまりおすすめしません。
(※旬の時期以外に売られている束のシュパーゲルは
南米産などで、味も全く違います。)
旬の時期ならば、大き目のスーパーの
外にシュパーゲルを売る屋台が出ていたり
駅やマルクト(市場)などに農家の人が
売りに来ていたりと、新鮮なものを手に入れる
ことは難しくありません。
出来ればドイツ人が列を作っている屋台で
買ってみてください。
ドイツ人はシュパーゲルに捧げる情熱が
本当にすごいので、どこのシュパーゲルが
新鮮でおいしいかも知っているはず。
シュパーゲルは皮が固いので
しっかりとピーラーで皮をむき、
根元のかたい部分を1cmくらいおとして
大きなお鍋で水からゆでていきます。
ドイツのレシピでは塩・さとう・バターを
一緒に入れてゆでるというものもありますが
私は、旬のシュパーゲルは少量の塩だけで
十分うまみが出ると思うので、
塩を一つまみ入れるだけです。
自己流なのですが、5分ほどポコポコ煮立たせたら
そのあとは蓋をしてIHの上で10~15分ほど
放置。白から透き通った色に変わって
箸で持った感じがしんなりしていればOK。
シャキっとした固めが好きなひとは短めに。
また、切らずに長いままゆでるのが
おいしくゆでるコツだそうです。
さらに、剥いた皮と根元も一緒に
鍋に入れて、ゆで汁をシュパーゲルの
おいしいブイヨンにしてしまいましょう。
ゆでた後に残ったゆで汁は、
クリームスープやリゾットにすることが
多いようですが、
毎回それでは飽きてしまいます。
シュパーゲルの甘みたっぷりの
いいお味が出ていますので
鶏がらスープを少し加えて
中華風スープにしてもいいし、
カレーや煮物のお水の代わりに
使ってもおいしくなります。
(少しお塩が入っているのでお料理の塩分は調整してください)
絶対に茹で汁は捨てずに再利用してみてください。
ちなみに、シュパーゲルをたくさん買ってきて
すぐに食べない場合は、皮をむいて
根元を落とした生の状態のものを
冷凍しておいて、解凍せずにそのまま
お鍋に入れてゆでれば、おいしく食べられます。
我が家は1キロ買ってきたら、一気に茹でて
その日のうちか翌日までに食べきってしまいます。笑
最初からどうやって食べるかは決めずに茹で、
半分はオカカポン酢、半分はドイツ風に
バターレモンソースやオランデーズソースで
食べる、というような感じです。
グラタンや、フライにするのもとてもおいしいのですが
旬のシュパーゲルはやっぱり、ただ茹でただけのものが
いちばんおいしいと私は思っています。
※市場で、折れてしまったクズシュパーゲルを
安く売っているときがあります。
グラタンやポタージュにするにはそれでも十分かも。
ここからどうやって食べようか考えるのも楽しみ。
ちなみに、
オランデーズソースは卵黄やバターを使った
濃厚なソースで、シュパーゲルには定番ですが、
私はたまにしか食べないし、作るのも面倒なので
インスタントのものを使ってしまいます。
私が好きなのはクノールのもので、
3回分が箱に入ったタイプ。
お鍋で分量の水で溶いて温めるだけ。
シュパーゲル以外のゆで野菜にかけても
おいしいです。
シュパーゲルの最終出荷日は毎年
聖ヨハネの日6月24日と決められていて
それ以降は食べられなくなります。
それまで思う存分ドイツの春の味覚を
お楽しみください。