4月になり、また新しくドイツへ赴任される方も多い季節になりました。
おかげさまで最近また、このブログの読者さんも増えています。
ドイツに新しく来られる方のために役立つ情報も必要ですね。
渡独して不安なことの一つにお水(飲料水)の問題があるかと思いますが
ちょうど先日ニュースダイジェスト(日本人向けのドイツのフリーペーパー)に
水の話が出ていましたので、私の経験と合わせて書きたいと思います。
ご存じのとおりドイツをはじめ、ヨーロッパの国のお水のほとんどは「硬水」です。
ヨーロッパでは日本と違い、石灰質の多い地層を流れてくるため、その過程で
ミネラル分が溶け込み、硬水となるそうです。
この硬水、なかなかやっかいで、カルキ(石灰質)がなんにでも付着します。
たとえば、洗濯の際、カルキ除去のタブレットを使わないと、白物が灰色っぽく
変色したり、泡立ちが悪くなったりします。
(最近の洗剤にはほとんどカルキ除去成分が含まれているため、
タブレットは時々使えば大丈夫だそうです。ドイツ人談)
また、水回り(シンクやお風呂場など)にもすぐカルキ跡が残るため、
時々カルキを落とす専用の洗剤や、お酢・柑橘系の洗剤などでカルキを落とさないといけません。
排水溝や食洗機なども数か月に一度、専用の洗剤を使ってクリーニングし、
カルキが配管に固まった状態にならないよう、注意しなければいけません。
飲み水に関して、とても神経質になる人もいらっしゃいますが、
基本的にはドイツの水道水は安全です。
統計によると、現在水道水を安全に飲むことができるのは世界でたった13か国しか
ないそうで、そのなかにドイツは含まれています。

ドイツの地域によっても異なりますが、デュッセルドルフは割と硬度が高いので、
日本の軟水になれた私たちにはおいしいとは感じられません。
そのため、ボルビックなどのミネラルウォーターを常備して飲用する方も
多いようです。
我が家は家にいるときほとんどガス入りのミネラルウォーターを飲んでいて、
12本入りのケースを常備しています。
1リットルのペットボトル1本で20セントくらい。
(それにプラスして1本あたり15セントのプファント(ボトルのデポジット)がかかります)
こちらにいる日本人のなかには、硬水の健康被害が怖い、怖い、といって
非常に神経質になっている方もいます。
料理に使う水もすべて買ってきたミネラルウォーター、なんと、カップ焼きそばの
捨ててしまうお湯にもミネラルウォーターを使うという話を聞いた時には
さすがに苦笑いしてしまいました。
そこまでしなければ健康を保てないなら、ドイツ人全員健康被害が出ちゃいますよね。
アジアや中東の不衛生な国にいるかのようです・・・・。
硬水のシャワーを浴び続けると皮膚が固くなる病気になるとか、
おなかに石灰がたまって結石や胆石になるとか、、、、 そんな話もよく聞きます。
ニュースタイジェストの記事によると、WHOの報告書で、硬水を長期間飲んでも特定の
病気の増加は見られない、健康に影響はない、とのこと。
胆石・腎結石が増えるという疫学的報告はなく、イギリスの研究でも、硬水と
胆石症とは関係がないという結果が出ているそうです。そのため、ヨーロッパでは
腎結石の患者にも一日2リットルの水(硬水)を飲むことが勧められているということです。
硬水を飲んでいてもいなくても、結石ができる人は出来るし、因果関係はないのですね。
まあ、我が家はまったく気にしていませんでしたが・・・
料理にも水道水を使うし、水道水を沸かしてコーヒーやハーブティーも飲むし、、、
ただ、お米を炊くときと、だしを使う和食のとき、日本のお茶を入れるときは
軟水器(ブリタ)でろ過したお水を使っています。
ブリタは10ユーロ前後で手に入り、替えのフィルターもスーパー、ドラッグストア等で
どこでも手に入れることができます。
以前NHKでみた、おいしいお米の炊き方では、最初に吸わせる水と、炊くときに入れる水が
重要だということで、我が家では、まず乾いたお米にブリタの水を注いで軽くすすぎ、
水道水で数回といだあと、最後にブリタの水で炊いています。
最初から最後までミネラルウォーターを使ったら、1回の炊飯でペットボトル1本使い切って
しまうのでは?!ひえーーー。
毎日お米を炊く我が家では考えられません!
それから、これはよく知られていますが、硬水はダシが出にくいため、
お味噌汁なども、ブリタの水のほうがおいしくできます。
沖縄県では本土よりもお水が硬いため、沖縄そばを作るとき、大量の削り節を
入れないと、ダシがしっかりでないというのをテレビで見たことがあります。
逆に、硬水はお肉を柔らかくしたり、灰汁や臭みをとる働きがあるので、
沖縄のソーキなどには適しているのだと思います。
日本茶も同様で、軟水の方がまろやかで香りもよく出ます。
ニュースダイジェストの今回の記事はパソコンでも見ることができますので、
お水について知りたい方はぜひ読んでみてください。
http://www.newsdigest.de/newsde/column/doctor/4955-hartes-wasser.html
ちなみにニュースダイジェストはドイツに住んでいる日本人なら知らない人はいないと
いうくらい有名なフリーペーパーで、日本スーパーや日本食レストランなどで
手に入ります。私たちの大事な情報源でいつも助けられています。
編集者さんいつもありがとうございます^^