実家の近くの商店街の八重桜
小さい時から、毎春の日常の景色
中学生の時
父が
"あの交差点の信号の下の桜
あれだけ、黄色い桜なんだよ"
"パパだけが気がついたんだよ〜"
って、自慢してたなぁ
てか、商店街の人たちはみんな
知ってるしょ

と、思いつつ、毎年、何げに見上げ習慣になった
あれから、何年も経って
1つ隣の駅に私達は引っ越した
もちろん、車椅子になった父も一緒に
そしてまた、何年も経ち
すっかり忘れていた商店街の八重桜
今年はNに見せてあげようと思い
食事がてら、見に行ったら
パパの見つけた黄色い桜
鬱金桜はなかった
代わりに若木の小さなピンクの八重桜
パパも黄色い桜が
私のそばからいなくなった
車椅子になっても
もっと連れてきてあげればよかった
もっと黄色い桜を見たかった
もっとパパと一緒にいたかった
もっとパパの手を握ってあげたかった
涙を拭うと
隣に、Nがスタバのフラペチーノを
満面の笑みで、、
パパと黄色い桜
Nと若木のピンクの八重桜
私には、家族がいると
私には、ミラクルがあると
感謝した瞬間だった
Closer
The Chainsmokers