女友達 | バイきんぐ小峠の「見ル前ニ跳べ」

女友達

どうもみなさんこんにちは、おーい!金と運(きんとうん)。


先日女友達から届いた一通のメール。


「15分1万円のバイトがあるんだけどやらない?」



やるに決まってる。



この話に心動かさない人間なんてブータン国王くらいだ。


すぐに電話。


変質者の睾丸を噛み千切るくらいは覚悟してたんやけど、何のこっちゃない。



ベランダでハトが死んでるからどうにかしてほしいとのこと。


「できる?」

と野暮な事を聞くので


「おい!ネェちゃん!俺が今何のバイトをやってる教えてやろうか!
害虫駆除だよ!害虫駆除!害虫駆除!

ハトの処理なんて、焼き鳥食べながらでも出来るさ!」


と言い放ち、電話を切った後、彼女の家に向かった。





現場を見ると、ベランダに放置してあるデカめのバケツの中でハトがお亡くなりになっていた。



確かにこれは女子にはキツイ•••


俺は軍手を装着し、最大級の注意を払い、実に手際良く仕事を終えた。


彼女はまるで妊娠している我が子が双子だと主治医に聞かされたくらいに喜んでいた。



でもさすがにこれだけで一万も貰うのは気が引けたので、糞で徹底的に汚染されたベランダを、舐めれるレベルまでピカピカにしてあげた。



あまりにもピカピカに仕上がったので、舐めるのを我慢したほどだ。





お金を貰う時、一応礼儀として

「大丈夫?何か悪いなあ」

と言ったら

「そんなに言うんだったら、近くにめちゃくちゃ美味しい焼肉屋さんがあるからそこ行く?」

と言ってきたので、即答で断った。


近年稀に見る即答だった。



部屋を出る時、玄関で彼女が


「あっ!思い出した!そういや何年か前も部屋にカマキリの卵があった時、英二くん来てくれたよねー!」



そういやそんな事もあった。



彼女にとって俺はただの害虫駆除業者。


俺は年下の女友達から貰った一万を握りしめ、つけ麺の全部のせを食べるために、のれんをくぐった。