敬語 | バイきんぐ小峠の「見ル前ニ跳べ」

敬語

どうもみなさんこんにちは、バックレ野郎です。



先日プラン9久馬さん監修による「月刊コント」というイベントに出させて頂きました。



それはそれは素晴らしいイベントでした。



打ち上げにも参加させて頂き、俺の横の席はアップダウン竹森やった。



ほとんど初めましてやったのに、すぐに意気投合。



最初はお互い敬語だったのが、30分もしない内にタメ口になり、1時間過ぎた頃には、俺は竹森に寄りかかって頬を平手打ちするくらいまで急速に仲良くなっていった。



それはほとんど恋におちていく感覚と同じだった。




少しして竹森がトイレに行く為席を外す。


すると同期のやなぎ(ヤナギブソン)から衝撃の一言を告げられた・・・




「おい!小峠!竹森さん俺らの先輩やぞ!」





確実に背骨が折れる音が聞こえた。



やっちまった・・・


これは、やっちまった・・・



勝手に同期やと思い込んでいた竹森は、実は一年先輩だったのです。



「やべー!やなぎ!俺どうしよう?」


「知らんがな!お前なに初対面の先輩に平手打ちしてんねん!」



毒が欲しいと思った。


毒を飲みたい、本当にそう思った。


この状況を丸くおさめるには、もう毒以外の選択肢はないように思えた。



「やべーやべー」と戦後最大級にうろたえていると、トイレでミッションコンプリートしてきた竹森が帰ってきた。



えらいもんで、一回り大きく見える。



これが本当にあの竹森か?



それだけ「先輩」という単語は我々芸人にとって絶対的なものなのである。



彼は俺の中で「竹森」から「竹森さん」になった。



とりあえず謝らなければと思い、俺は深々と頭を下げ


「竹森さんすみません!ずっと同期やと思って接していたのですが、今先輩やと言うのをお聞きしました。本当にすみません!

ただ僕はあなたと仲良くなりたい!
ですからこのまま同期という事にしてもらえませんか!」



我ながら何をトチ狂った事を言っているのだろうと思った。


でもこのせっかくの出会い。


やっと取っ払った壁をまた作るのは嫌だと思い、感情が言葉になって溢れた純粋な想いだった。



二人の動向を気にしてか、一瞬だけ静まり返る宴。



そして次の瞬間・・・




「当たり前だろ!こちらこそ宜しくだよ!」


と竹森が満面の笑みで肩を組んできた。



友だちが出来た瞬間である。






そしてついこの間、竹森と飲みにいった。


二軒行った後、俺ん家に来て、寝て帰った。



もしあの時、先輩と発覚したあの時に、敬語に戻していたら、きっと竹森は家に来ていなかったと思う。


なんとかとハサミは使いようと言いますが、敬語も使いようですね。



って、ホンマはあかんねんけどね!