ルイスレザー
どうもみなさんこんにちは、絶望という名のはとバスです
毎年これくらいの季節になると、虹の黄昏野沢が「皮ジャンが欲しい!」と必ず言い出します
この野沢の「皮じゃんが欲しい!」という声を聞くと、もうすぐ冬かーと思います
「ルイスレザー」という古くからあるブランドで、めちゃくちゃ格好いいライダースがあります
俺も野沢もこのルイスレザーが欲しくてたまりません
でも13万くらいするので、とてもじゃないけど手がでない
昨日とりあえず見に行ってみようかという事で、渋谷のルイスレザー取り扱い店に行ってきた
あいつに「お前いくら持ってきた?」と聞くと
「2000円くらいです」とシビれる発言
全く買う気がない確固たる決意が見られます
渋谷の外れにあるそのお店は、一軒家を改築した洒落た内装
野沢は2000円しか持っていないのに、実に堂々と次から次へと試着を始めた
13万するライダースを2000円しか持っていない男が、例え試着だけだとしても袖を通す権利はないように思えた
「どうですか?」と笑顔で接客してくれる格好いい店員さん
どうですかもクソもない
だってあいつの財布には2000円しか入っていないのだから
野沢も「う~ん・・・」と渾身の悩む演技を披露
「お前2000円しか持ってないやん!」と言いたくて仕方なかった
でも着るのはタダである
俺もあいつの図々しさを見習って試着をしてみる事に
いつか買う予定ではあるのでその予行練習だ
初めて着たルイスレザー
めちゃんこ格好いい・・・
「どうですか?」と店員さん
どうもこうもない
俺の財布にも4000円くらいしか入っていないのだから
俺も俄然「う~ん・・・」という演技に熱が入る
何やねん、このふたり
そうこうしていると、ファッション雑誌から飛び出してきたようなお洒落でお金持ち風の男が店に入ってきた
さっさと試着して、すぐに「じゃあこれで」と買っていった
そこには圧倒的な貧富の差があった
野沢を見ると黒目がドルマークになっていた
何となく居づらくなった俺たちは、逃げ出すように店を後にした
まるで万引きでもしたかのようなよそよそしさ
外に出て、地獄のように安い居酒屋に入り、鬼のように薄いビールを呑んだ
ビールか水かでいうと4:6で水である
いつか売れて絶対あのルイスレザーを買おう
ふたりでそう誓った