焼き肉とチャリンコ | バイきんぐ小峠の「見ル前ニ跳べ」

焼き肉とチャリンコ

どうもみなさんこんにちは、マスターベーションキングダムです


昨日は結局あれから鬼畜野郎(梶本)と会った


鬼畜野郎は偉そうにも、焼肉屋を指定


ビール片手にカルビやロース、ホルモンを焼きながらご満悦の様子


鬼畜野郎はべらべらと何かしゃべっていたが、俺の耳には一切届かない


なぜなら俺の頭の中はスラムダンクの事でいっぱいだったから


脳内籠球飽和状態



俺の心中など露ほども知らない鬼畜野郎は



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こんな笑顔



何だ、こいつ・・・


アフガニスタンのホモじゃねぇか



切り上げよう


今すぐ切り上げよう


時間もそこそこ経ったし


腹もふくれた


もう大丈夫だろう


頼むから俺にスラムダンクを読ませてくれ



すると帰り支度を始めた俺に向かって、この鬼畜野郎は驚愕の一言を口にした



「もう一軒行くやろ?」



何なんだ、こいつ


本当に何なんだ、こいつ


自分が何を言っているのか分かっているのか?



「もう一軒行くやろ?」



それが当然のように言ってくる


ディフェンスをしているんだ


こいつ俺が読めないようにディフェンスをしている



断れ!


小峠、断るんだ!



「なあ!行くやろ!」



追い打ちをかけてくる鬼畜野郎


さあ、早く


NOと言え


さあ!



「・・・・・おぉ」



しまった!


ついこいつの迫力に気圧されてしまった


「ほな決定!次いこ!」


満足そうにジャケットを羽織る鬼畜野郎




殺るしかないと思った


こいつはもう殺るしかない


こいつを殺らない限り、俺の平穏な生活は約束されない


これじゃいつまでたってもスラムダンクが読めない


よし、殺ろう


俺は一旦トイレにゆき、鏡に向かって己に暗示をかける


”kill kill kill・・・"




席に戻るとテーブルで会計をしていた


「いくら?」


と聞くと、あいつは信じられない事を口走る


「いや、今日は俺のおごりやわ。パチンコ勝ったから」



”おごりやわ”


”おごりやわ”


”おごりやわ”


頭の中でリフレインする



次の瞬間俺は膝から崩れ落ちた


俺は何てバカな奴だ


こんな天使みたいな奴を鬼畜呼ばわりしていたなんて


最低を通り越して恥ずかしい


俺はどんな人間が好きかって、焼肉をおごってくれる人間が一番好きだ


俺はあいつに心から感謝をし、腹の底から謝罪した


近いうち腕に”梶本”と彫ろうと思った




それから俺たちは焼肉屋を後にし、肩を組んで246を歩いた


スラムダンクの事は一切忘れていた



後輩がバイトしている居酒屋に到着


楽しくしゃべって深夜1時店をでる


外に後輩のチャリンコがとまっていた


俺と梶本は暗黙の頷きを交わし、俺が塀によじ登り、あいつがチャリンコを持ち上げ


電柱に引っかけた



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電柱に引っかけた



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俺たちは深夜塀によじ登り、後輩のバイト先の目の前にある電柱に



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チャリンコを引っかけた




重労働に疲れ果てた俺たちは解散し、俺はレンタルDVDを返しにゆく


その帰りに吊り上がられたチャリンコの前を通ると、5~6人の軽い人だかりが出来ていた


「すご~い!!」


「誰がやったんだ!?」


「マジ超ウケるんだけど!」



みんなでキャッキャ言いながら、全員チャリンコの写メールを撮っていた