さようなら /~ 餘部鉄橋 | View-Touch! 私的グッドデザイン。

さようなら /~ 餘部鉄橋


餘部鉄橋


兵庫県の北部、日本海沿いの風光明媚な町に、巨大で造型の見事な鉄橋があります。

その名を『餘部(あまるべ)鉄橋』といいます。

開通したのは、なんと明治45年(1912)といいますから、すでに90年以上が経過しています。にもかかわらず、この形式の鉄橋としては、未だにこの大きさを超えるものは作られていません。

そもそも地形が特殊だった為、この餘部集落の周辺だけ、山が途切れ、海に面している。しかし線路は両端の厳しい山岳地帯上を通過している。ここだけ「空中に線路を通す」必要があり、今のような形になりました。

高さ41メートルを超える橋脚が11本。その幾何学的な造形美は、見事です!

数年前に列車が転落する事故が発生したこと、列車速度を落として運行しなくてはならないこと、などさまざまな要因が重なりあい、やむなく架け替えることが決定してしまいました。

もともと鉄橋だけでも観光としての要素をもっていたのですが、名残を惜しむ地元周辺の方々や、全国から旅行者が集まり、今では一大観光スポットとなり、多くの人々が集まり、大変な賑わいを見せていました。

橋のたもとにある餘部駅は、たどり着くのに、橋のふもとから10分近く険しい山道を登らねばならない、なかなかの秘境駅なのですが、夏休みのシーズン中は、臨時に駅員さんが配置され、切符やカードを販売、新たに作られたスタンプも押せました。

駅からさらに登ったところに著名な撮影ポイントがあるのですが、とてもとても綺麗な風景が望めるかわりに、まさに猫の額。くれぐれも足元にご注意を!

工事が始まったのが、2007年の春。完成予定は、2010年。(私が行った7月5日現在では、足場工事が始まっていました。)それまでは、威風堂々としたこの鉄橋の勇姿を眺めることができます。

鉄道ファンじゃなくても、きっと圧倒されると思いますよ!

できれば現在の雄姿のままでいて欲しいけど・・・