■熊本日日新聞 2022年12月29日(木) 「追想」

 

■まず1人目は、何と言ってもアントニオ猪木氏ですね。

 私の青春でした。記憶に残る一戦を、皆さんはアリ戦というかもしれませんが(私の家にて、高校生7人と一緒に見たのでした)、私はスタンハンセンとの戦いでした。

 

 あのウェスタンラリアットをどうさばくか、これに焦点がありました。

 

 それはそうと、猪木氏の番組が本日昼あっていました。涙が出てきたことでした。

 

 氏曰く、一つだけミスがあるとしたら、自分が「元気ですか?」とトレードマークにしたことだったと、冗談みたいに言われていたことでした。

 

 最後の最後まで、冗談を忘れない方だったなーと思わずにはいられませんでした。

 

 闘病生活を見せるという、やはり尋常ではない精神力に脱帽ですね。これはひとえに、ブラジルでの極貧生活とプロレス経営にあるのではないでしょうかね。

 

 新聞には、詩が紹介されていました。

 

踏み出せば、その一足が道となり、その一足が道となる。

迷わず行けよ、行けば分かるさ

 

■2人目は、「くまもとの旅」編集長の末吉氏です。

 

 93歳という大往生ですよね。氏との出会いは、私が教職7年目の波野村での神楽の時でした。

 

 私はゆとりの時間を使って、子どもたちに神楽の現地取材を行っておりました。

 そこへ、鈴木館長の三十三座復活を取材にコられていた「マインド」社の取材グループが来られていたのです。

 

 私らの取材活動に興味を持たれ、社長自ら「なぜここで学習を?」という取材が始まったのでした。子どもたちの取材状況を取材され、「くまもとの旅」で紹介頂いたのでした。

 

 以来、なにかの折には、顔を合わせさせていただくことができました。本社(駅構内にありました)まで顔を出したことがありました。

 

 実に残念ですね。もう一度お会いしたかったという印象です。

 

■3人目は、渡辺京二氏でしょうか。

 

 私は面識はないのですが、理路整然とした論考にうっとりでした。

 

 熊日には、カリガリという喫茶店で、氏と石牟礼氏(「苦海浄土」)、店主との写真が掲載されていました。

 

 実はこのお店に行ったことがあるのです。地名教育で実践発表をしたことが縁で、地名教育に入っておられた店主さんと、代表の方数人から呼び出されて、何らかの会に同席させてもらったことでした。

 

 そんな有名な喫茶店とは思いもせず、今となってはいい時代だった!と、思わずにはおられませんでした。

 

 こうして、有名な方々が旅立たれると、実に寂しいものがありますね。

 

 謹んでご冥福をお祈りしたいと思います。これまでありがとうございました。