■熊本日日新聞 2021年9月5日(日) 「人間・・・」

 

■DaiGo氏の生活保護者への差別発言、これにはびっくりでしたよね。あまりにも幼さすぎるというか、そんなことを思った次第でした。

 これに対し、反貧困ネットワーク代表でその手の著作がある藤田氏が一刀両断されています。累進課税という法的面からも言及されていて、皆が「平等」に支払っているものという点についても書かれています。

 

 藤田氏は、彼の価値観を問われています。私は、もう1つ違った観点から述べてみたいと思います。

 それは、私らの未来はわからないという点です。

 今日まで差別発言をしていた人が明日、災害に見舞われて、人様のお世話にならざるを得ない状況というのは0ではないと思うのですね。一寸先は闇というのが、現代の世の中です。激甚災害は頻繁にやってきます。

 そればかりでなく、近いうちに、交通事故や大病で仕事ができなくなることも0ではありません。いつ自分が困窮者になるかは、誰にもわからないし、誰にでも訪れる可能性があると思うのですね。今はいいかもしれないけど、明日はどうなるかわからない、これが基本命題だと思うのですよね。

 ユニバーサルデザインというのは、その観点で出てきたものです。

 

■この辺の思考があったら、あのような発言には結びつかなかったのではないでしょうかね。何事も、見方や考え方が重要ですよね。思考方法に歪みがあるのが、我々一人一人の問題点です。その歪みから不安感が増したり、差別感につながったりもするかと思います。皆が顔・形が違うように、思考方法や価値観も違って当然だと思います。

 だから、どうするか、日々、思考方法を問い直していくという作業は必要なのかもしれません。難しいことですが、これを抜きには幸せは訪れないような気がしている昨今です。これは、私自信への戒めでもあります。