■朝日新聞 2021年7月27日(火) 「世界発2021」

 

■連載のこのコーナー、今回は地理的分野でもろに使える教材となります。題して、

「黒土泥棒 中国で騒動」

とあります。

 いわゆる日本の黒土とは違って、有機物が大量に含まれる肥えた土なわけです。中国にもあるというのを初めて知りました。

 それまでは黒土地帯というと、ウクライナとばかり思っていましたが、中国東北部にもあるというのですね。アメリカだと、プレーリーというのだそうですが、昔の知識が蘇ってきたことでした。

 それはともかく、日中対決が際立っている中、中国の食糧生産の2割を占める、この地域で泥棒が新聞に載ったというのがニュースになっているわけです。

 今までもあったらしいのですが、今回ばかりは、習近平氏が視察で、「中国人は自らの手に握ったご飯茶碗に、自らの食料を入れなければいけない」と述べたらしく、さらには「黒土は田畑の中のパンダだ。よく守り、うまく使い、人民を幸せにしよう」と言ったらしく、それで一大事となり、泥棒が捕まったというわけです。

 泥棒は、黒土を盗み、市場に売り出したというわけです。東北黒土は、草炭混じりの腐葉土で重宝されているらしいです。

 

■中国では農家に資金を投入して、食料確保を目指しているらしいのですが、これにより、収穫面積が増えた一方で、質の低下が問題となっているというのです。黒土の退化は一大事というわけです。

 日本でも、食料自給率は4割を切っており、農家への補助金を出して、業体変更をしていった方がいいのではないでしょうか。コロナで職を失う人もでてきているわけで、地方へ戻り、農業に就くというのも、1つの道先かとも思うのですが。