■朝日新聞 2021年7月25日(日) 「日曜に想う」
■今回のテーマは、「皇帝ネロ 落書きが覆す 暴君 」というものです。
ローマ帝国を卒業論文にした身にとっては、放っておけない内容でした。
実は「暴君」などではなかった。それを証明するのは、最近発掘された、コロッセオに隣接する黄金宮殿からわかったというのです。
さらには、ポンペイに残された落書きに、殊の外、ネロを賛美するものが発掘されているというわけです。
「記録」は元老院たち、支配者階級によって記載されるが、落書きは庶民の感想だというのです。つまり、記録はフェークがあるが、落書きは庶民の気持ちを代弁しているというのです。
■最後に、筆者はこう結ばれます。
文字を刻む行為は、歴史づくりに参画する営みに他ならない。偽りを大著に記すより、事実を片隅に遺す者でありたい。自戒の念も込めて想う。
この文章末には、トランプ元大統領まで登場します。
暴君ネロの真偽?がわかってよかったです。