■熊本日日新聞 2021年5月9日(日) 「くまにち論壇」
■今回は、経済ジャーナリストの荻原氏です。氏の論考は、いつも単純明快、実に快調な筆致で、読みやすい、わかりやすい、今の状況がわかりやすいと来ています。
今回は、ワクチン開発と日本政府の失政についてです。私も以前書きましたが、同感です。なぜ、日本ではワクチンが作れないのか、実は我が国は「発展途上国」ではないのか、とさえ思えてきますね。数十年前まで、中国は発展途上国でした。その中国のワクチンはHHOに承認されました。
方や、世界第3位の経済大国は、ワクチンが自国でつくれず、輸入に頼るしか無く、まだ庶民はだれも接種していないというお粗末さ、これ、どう考えればいいのでしょうか。
戦闘にあけくれているイスラエルでは、全国民、接種完了だとか。何なのでしょうか、この差は。
結局、平和ボケなのではないでしょうか。
■氏は、次にくるのは食料危機といっています。数十年前まで、フランスは自給率200%でした。現在はそこまでないにしても、何と国の補助金が8割というのです。そうまでして、自国の食料を確保しているのです。
発展途上国の日本、とうとう自給率は39%を切りました。
氏は世界の人々が打ち終わったワクチンの余りを日本がもらうので、年内にはなんて言っていると切って捨てられます。食料でも、皆が満腹になった時点で、ひもじい思いをしている我々日本人におこぼれ頂戴というシステムなのでしょうね。
■昨日、小学校での農業科の話を書きました。何か、日本は、世界とは逆行しているように思えてなりません。教育界の大改革こそが重要なのに、生きていく力は全くつけるようなシステムになっているとは思えません。氏は、「基礎研究」を切ってきたことに、ワクチンが作れない原因があると言われます。やはり、大事なのは基礎基本、そして、医療や食料、生きていく方法論ではないでしょうかね。
デジタル全盛になり、そのうち、漢字を書けない子、計算のできない子を量産し、国がさらに衰退していくのではないかと、危惧しているところです。