■熊本日日新聞 2020年8月12日(水) 「戦後75年」

 

■これは連載で、今回は「消せない記憶 アウシュビッツの生存者は語る」というもので、小見出しはこうです。

「地獄 死は日常だった」

「夜と霧」は、あまりにも有名で、精神科医の書いた本でしたが、今回の記事の主役は、一般のユダヤ人女性の方です。

 精神科医となると、やはり見る目が違いますから、あえてこのような一般人の方から見た当時の様子というのが重要な気もします。

 

■それによると、女性は強制労働に従事させられますが、その後、楽隊に採用され、ガス室に送られる人々の気を紛らわす役となります。ガス室へ送られると知りながら演奏する時の気持ち、そんなことが綴られます。そして、女性は、祖母がドイツ人だったということで、ドイツ国内の収容所に移され、ソ連の侵攻で、解放されます。

 

■翻って現在、問題はなくなったのでしょうか。いえ、そんなことはありません。シナゴーグ(ユダヤ教会堂)での乱射事件等々、極右勢力による差別主義が台頭してきているというのです。

 

 人間は変われないのでしょうか。

(なお、現在は、アウシュビッツはオシフィエンチムと、ポーランド語で呼ばれることが多いように思います、3つの収容所があり、第2がビルケナウ、第3がモノヴィッツです。)