■熊本日日新聞 2020年5月16日(土) 「長期・・・」他、
「ネット5時間以上 2割」「ゲームトラブル相談急増 県警1~4月 家庭内暴力も」
■このアンケート結果は、タブレットを貸し出す前から想定されていたものですよね。いわゆる「想定内」というものです。料理を教えないのに、包丁を貸し出したというような感じでしょうか。よくも悪くも、使い方次第だと思うのですね、何事も。
もちろん、タブレットの使い方(ズーム以外)はできていたでしょうが、家庭学習の問題です。
■私は単学級担当の場合は、宿題プリントは皆無、単元テストも自作でした。毎日の自学ノート提出は最低見開き2ページでした(友達とページ数を競って、睡眠が12時近くになっているという苦情を頂く始末でした)。保護者にお金をなるべくかけない教育システムを構築していました。
主眼は、教育の目的は、「自立」「自律」ととらえ、「自己教育力」の育成しかないと、取り組んできたことでした。
しかし、複数クラスの学年担当となると、そういうわけにもいきません。
■この発想がない状態で、子どもたちにタブレットを持たせたら遊ぶしかないと思います。宿題で育てられた子どもは、動物園の動物と同じだよと、当時の子どもたちには伝えてきました。つまり、自分で獲物を捕獲し(自分の長所は伸ばし、不得手なものにも集中して取り組んでいく)、食べていくしかない(自分でお金を稼いでいく)という状況を作ってやるのが、最高の教育だと考えます。
自分で学習し、自分で目標を達成していく、失敗したらリセットしていく力の育成こそが、教育の最大目標だと考えてきました。
今みたいに、宿題、音読カード、・・・・といたれりつくせりでは、こんな時代に入ると、「格差」が広がりやすいのではないでしょうか。
やれる子はやる、学校教育以上にやっていくでしょう、だって、時間が自由に使えるわけですから。しかし、ゲームが好きな子はゲーム三昧になってしまうのではないでしょうか。
その予想をこのアンケートが示した形になっていると思われます。
■とあるスマホ使用の研修会(不特定多数、年齢も様々)に参加した時、講師が問いました。
乳幼児の育児にスマホは必要ですか。
警察・教師の方も含め、賛成、どちらかといえば賛成に大勢の方が挙手されました。とある若い主婦らしき女性が、スマホなしでは育児が成り立たない、ただし、視力のエビデンスがないので、そこは心配と。ちなみに、私は反対でして、意見を求められそうだったから、挙手しませんでした。反対は0でした。多分、私みたいな方もおられたのではないでしょうか。
■何事も、教育というのは大きいと思います。使い方も大きいと思います。その子どもの人生を左右するといったら、大げさでしょうか。その再確認が必要な時代ではないでしょうか。