■朝日新聞 2020年1月6日(月) ザ・広告
■今回は、広告について考えてみます。理由は、クボタのCMが何と、新聞紙1枚の両面に載せられていたからです。これは、私の経験では初めてでした。つまり、4面ぶち抜きというわけです。締めて広告費は、・・・・・。およそ
800万円×4=3200万円
■3000万円をかけています!! もし、これが全国紙3紙に全て載せているとすると、少なくとも9000万円となるわけです。3紙以外の全国紙に載せていると計算すると、軽く2億円くらいを出しているということになりますよ。
それだけの効果(回収)があるのでしょうか。
■広告は本風になっています。
なんのために 生まれた? For Earth,For Life Kubota 株式会社 クボタ
1面で問いを投げかけて、2面と3面(見開き)でこう書いてあります。
繋いできたのは、技術だけではない。この使命こそだった。(中略)
「わたしたちは、この技術や製品を通して、世の中になにを生みだすことができるのか」-と。(後略)
なんのために生まれた? それはー
そして、最終面の4面へと向かいます。
(前略)ひたむきに、地球のためにひとの暮らしのために。2020年、クボタは、創業130周年を迎えます。
周年事業で、これだけの金額をかけたと思われます。企業の執念でしょうか。
■私がここで言いたいこと、それは、広告から授業が見えるということです。1面で問いをかけ、2・3面で説明し、3面の最後にもう1回、問いを繰り返し、最後の4面で解を出すというシステム、うまいなー、これは授業と同じではないでしょうか。本の執筆と同じではないでしょうか。
実に学ぶべき広告だといえますね。この広告は、新聞紙面からひっぱぬき(破らずにすみます! 4面全面広告だからです)、教師の机上において、授業の必殺パターンと認識すべきものだと思えますね。
なお、バックには、クボタの機械や材料などが大地に上に青空のもと、おいてあります。
■折角ですから、他に1面広告を見てみましょう。
走れ、この日常のために ITOCHU
これは、伊藤忠商事の広告です。キャッチフレーズは「ひとりの商人、無数の使命」というものです。
最後のセンテンスはこうです。
この日常があたり前に続く奇跡のために。”売り手よし、買い手よし、未来よし”のために。
これは上記のクボタとつながるところがありますよね。日本企業の精神というか、そんな意気込みを感じる広告でした。
なお、最後のセンテンス、これは近江商人の意気込みと重なりますね。あの、「三方よし」の教えです。すなわち、売り手と買い手と世間(社会)にWin-Winの関係というわけです。
授業もそうなのでしょう。担任と子どもと保護者や地域にWin-Winの関係というところでしょうか。
■次は、野村不動産グループです。ここでも、似たような台詞が踊ります。
人や街の未来が、もっと豊かでありますように。
次は「ドラえもん50周年展」からの広告です。原稿用紙中程に、こんな文章があります。
「ドラえもん」は、クロスメディアの先駆けとして、漫画、アニメ、映画、MDなど、50年間、子どもたちから支持されるよう奮闘してきました。これが私たちの誇りです。
クロスメディアという表現が気に入りました。情報産業の学習をドラえもんでやれないでしょうか。もし、私が担任をしているなら、小学5年社会科の情報産業をドラえもんで通したいという気持ちがしてきました。
次は、日本財団遺贈寄付サポートセンターからの広告です。
遺贈で、子どもたちへ、贈り物を。
福祉と経済の面からいい広告ですね。60歳以上の25%が関心を示しているそうです。私も今年、その仲間入りとなりそうです。
次は、とある温泉ホテルのCMです。私も以前、泊まったことがあるホテルです。とても素敵なイルミネーションと素敵な宿泊ができたことは言うまでもありません。月に1回以上、新聞広告が出ているかと思います。ホテルが嫌うこと、それは空き室率です。回転させてなんぼのホテル業界、空き室は無駄金となっていきます。稼働させるには、広告を打つしか手が無いというところでしょうか。マグロ状態となりますね。建てたが最後、走り続けないといけない、これは総合学習の起業家教育の材料となる広告ではないでしょうか。ま、私も教材開発のマグロ状態なのかもしれませんが! なったが最後、走り続けないといけない???
最後に、生命保険会社とピアノ活用の会社の1面広告がありました。
■広告1つとっても、いろいろな学習ができますよね。全ては教材、元日の熊日で、「新聞=教材」と歌っていましたが、私は全てが教材と思って、日夜?教材開発に挑んで?いるところです。