■熊本日日新聞 2018年1月25日(木) 「未来教室」
■短期連載でしょうか。今日は「上」で、「先進地の山江村 学力向上」「ICT 整備二極化」という見出しが躍っています。タブレットや電子黒板の導入が行われるとのこと、翻って、熊本市にパソコンが導入された時、学力は向上したのでしょうか。それを記事としては、検討しなければならない問題ではないでしょうか。
安易に、機器を導入すれば学力が伸びると考えるのは、時期尚早かと思います。裏付けが必要なところでしょう。山江村という観点も、都市部と山間部では、生徒の実態からしても違います。ひとえに、機器を導入したからと片付けていいものかどうか、ここは検討すべきところでしょう。
■私は、温故知新を唱えます。かって、100マス計算が取り上げられたことがありました。蔭山氏は、自分の子どもたちの実態をもって論破されておりました。この辺の検討が重要かと思うのです。私も、タブレットの機器に頼るより、基礎基本だと考えている一人です。100マス計算が十分でない子にタブレットを与えるのと、その逆ではいかがなものかと考えてしまうのです。十二分に基礎学力を整えることが先決問題ではないのかと思います。新学習指導要領は、対話力や表現力といっているのですが、まずは基礎学力あってのことだと考えるのです。もっと、「公」教育では、基礎学力に重点を置くべきだと思っているところです。そのうち、さらなる10年後に、基礎学力充実を唱えるのではないでしょうか。
かって、主体的学習が唱えられ(平成の初め)、その10年後に分数計算のできない大学生(それを通した大学に問題があると思うのですが)というのがきっかけで、学力低下問題が浮上しました。円周率に如実に表れていましたね。「3.14」より「3」でやって、考える力の育成というわけでした。そして、その結果、小数の計算ができない子を量産して、学力低下へと一気に進んでいくのでした。この繰り返しなのですよね。ですから、いつも根底にあるのは、基礎学力だと思います。その上で、主体性とか、対話的とかの文言が可能となってくるのではないでしょうか。一段飛ばしをやっているような気がしている昨今です。
もっとわかりやすくいえば、辞書がひけずに(素早く)検索でいいのかという問題です。ブラインドタッチができずにネットをやっていいのかという問題です。もっともっと、基礎基本の定着を図るべきだと考えている者です。