■朝日新聞 2018年1月14日(日) 「エコ・・・」

 

■小見出しに「公害と再生学ぶ場に」とあるように、土呂久といえば、ヒ素公害の地で、教科書の公害学習から取り残されている感があるかと思います。記事にはなかったのですが、見つけたのは一教師です。

 国内9番目のユネスコエコパークに昨年登録されたそうです。これは、「生態系の保全と持続可能な利活用の調和を目的に、地域を登録する仕組み」だそうです。それに、「祖母、傾、大崩」の大分、宮崎の県境が登録されたというわけです。そこに、土呂久があり、登録時には入っていないので、新たに入れようという動きがあるというものです。

 

■私も社会科教育誌の取材で、現地を訪ねたことがあるのですが、まず車は1台しか通らない狭い道路を行かねばならず、ヒヤヒヤしたものでした。公害の跡がわかるようなものは残っておらず、その鉱山跡地が残っているという感じでした。農薬や毒ガスの原料となる、亜ヒ酸を作る「亜ヒ焼き」が原因となって、住民に慢性ヒ素中毒が出たというものです。現在、田や川は超きれいでした。

 

 九州の小中学生は、水俣病とセットで、この公害を学習すべきだと思います。忘れてはいけない公害だと思えます。国は、第4の公害病に1973年に指定したそうです。ちなみに、残りの3つとは、大気汚染による呼吸器疾患、カドミウムによるイタイイタイ病、有機水銀による水俣病で、四大公害病とは違うカテゴリーです。