■朝日新聞 2014年3月27日(木) 「いいね! 世界イチ?」

■今回のテーマは、「祖先は囚人 今は誇り」というものです。つまり、オーストラリアの歴史に関する問題です。中学校教諭時代に、イギリスからの囚人が豪州へ流されたという歴史事実を、どう伝えるべきか、逡巡したことがあります。なぜなら、囚人の子孫ということになってしまうからです。全部が全部でないにしても、アボリジニーという原住民は別にして、何と表現したらいいものか、・・・悩んだ経験があります。

■それなのに、「今は誇り」となっております。今、豪州では、「自分探し」ならぬ「祖先探し」がブームになっているようなのです。ネットアクセスで、簡単に元をたどることができるらしく、罪名までわかるというのです。こんな時代になるとは、当時(今から27年くらい前の話)思いもよりませんでした。

■しかし、振り返ってみれば、私の祖先にも絶対的に1人以上の犯罪者がいたのではと思います。もっと極端に多いかもしれません(笑)。だれにもわからないだけであって、結局は、今の自分がどう生きるか、にかかっていると思います。いずれにせよ、地理の学習はしやすくなったと思います。