■産経新聞 2013年6月9日(日) 「フィヨルド・・・」

■今回の記事は、「叫び」の画像も大きく、鑑賞教育にはもってこいの記事となっておりますよ。永久保存版です。

■何と、その画家、ムンクの生誕150年に当たるのだそうですよ。冒頭の記事が泣かせます。
「ある夕刻、私は道に沿って歩いていた。(中略)私は疲れ果て、病気だったーたちすくみ、フィヨルドのほうを見渡した。太陽が沈んだー雲は真っ赤になったーまるで血のように。私は自然を貫く叫びのようにものを感じた」

■まさしく、あの「叫び」の解説書みたいな感じです。そして、オスロの美術館教育担当の方が言われます。
「ムンク芸術を理解する上で、この言葉を覚えてください」といった、言葉とは、・・・・。

ムンクの言葉「私は見るものでなく、見たものを描く」

■つまり、ムンクは、過去に見た光景や体験をもとに内面世界を描いていったということになります。冒頭の文章は、ムンクの日記の一節だそうです。そして、叫びの背景として、こうも書き記しているようです。
「友人と散歩中に」「前景の人物は叫んでいるのではなく、自然の叫びに耳をふさいでいるのだ」というのです。

■前の教育担当者は、こうも述べておられます。「空もフィヨルドも人も揺れている。この絵で大切なのは自然です」と。

 このあたりに、この絵画の鑑賞授業のポイントがあるように思えます。