皆様いかがお過ごしでしょうか?
温暖化による影響か、局地的な豪雨に苛まれる地域が多くなってきました。
被害に遭われた方々にはこころよりお見舞い申し上げます。
さて、今日はネオクラシズムを感じる品々をご紹介いたします。
ネオクラシズム(新古典主義)は19世紀初頭頃ヨーロッパで流行した芸術思想で、マリーアントワネットの時代に流行した装飾的で優美なロココに反して、より確固とした厳格な様式を求め、古代ギリシャの芸術が模範とされました。
それまでの絶対王政、宮廷主導の時代から、民衆の時代へと変わっていきました。
それまでのチャラチャラしたロココから硬派になろう、ギリシャ・ローマ時代みたいな自然な感じが良いのでは?という風潮もあったかもしれません。
それはファッションにも大きく影響されています。
当時のファッションリーダーです。
髪には粉をまぶして巨大に盛りつけていますね。
これでもか!と膨らませたドレスの下には巨大なパニエをつけているでしょう。
そして気絶寸前までコルセットで締め上げています。
この時代の女性はとてもまともに呼吸ができそうもありませんね。
それと比べてこちら。
これなら今でも着られそうです。
もちろん家具や小物にもその流行の影響は及んだようです。
古代ギリシャを想わせる意匠ですね。
しかしその手にはカップアンドソーサーが。
こちらのギルドブロンズアーンも古典的な趣味が窺えます。
ネオクラシズムはナポレオン帝政時代が最も盛んであった為アンピール(帝国)様式もしくはエンパイアスタイル、とも呼ばれています。
家具に関しては直線的でシンプルなデザイン。
多くの家具にはマホガニーや黒檀が使用されギルドブロンズで作られた装飾が特徴的です。
このキャビネットはエボナイズドと呼ばれる黒檀(エボニー)調の仕上げを施してあります。
ブラックの背景にグンと映えるウォールナットの象嵌がとても美しく、重々しくなりがちなブラックの色をむしろ上質な印象にを感じさせます。
ロココの華やかさとは一転していますが、品格を感じさせる美しさがありますね。
ヨーロッパの芸術思想歴史は深く、繰り返しリバイバルされ人々の心を掴んでいます。
現代のあなたならこのネオクラシズム感じるアイテムをどんな風に使いますか?
そんな事を考えながら店内を見て回るのか、アンティークショップならではの楽しみ方かもしれません。