浅田次郎さんの「マンチュリアン・リポート」を読み終えました。
- マンチュリアン・リポート (100周年書き下ろし)/浅田 次郎
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「マンチュリアン・リポート」は、「蒼穹の昴」シリーズの第4弾。
清王朝末期から始まったお話しも時を経て、昭和初期になっています。
内容は、事実上の満州の元首であった張作霖を爆死させるという愚挙を犯した関東軍。その責任をうやむやにしようとする軍部の在り方に怒りを感じた昭和天皇によって放たれた密使である青年将校の満州報告書が伝える事件の真相とは…という感じ。
「蒼穹の昴・珍妃の井戸・中原の虹」と続いてきたシリーズものの最新刊なので、これだけを取り出して読むと、あまり面白くない話かもしれません。
ですが、張作霖の最後でもあり、ずっと読んで来てる人には興味深い本だと思います。
ただやはり「蒼穹の昴」や「中原の虹」に較べてしまうと、スケールが落ちてしまうのは否めないかと。
張作霖が爆死した時に乗っていた機関車に人語を話させるなど、試みは面白いですが、いまひとつ、強い時代のうねりを感じられないなぁ…と思いました。
でも心に響く言葉も数々あり、機関車を含め、登場人物の人生を思うと感慨深いものもあって、私としては、それなりに楽しく読めました。
張作霖は死んでも格好良かったです。
今作を終えても、シリーズを通して取り沙汰される龍玉の落ち着き先は、まだ未決。
王の証である龍玉を最後に手にするのは誰なのか。
続きがあるのかないのか、ちょっと判りませんが、近代史に非常の弱い私としては、この先もぜひ書いて欲しいと思います。
できれば、「蒼穹の昴」「中原の虹」のスケールで。