俺のスタッフの大野の話をしたい。
大魔神が怒った時に「寿司が食いたい」と言ったやつである。
全くいろんなヤツがベトナムにやってくる。
今回は元Jリーガーが武者修行のために「ベトナムでプロサッカーチームに入ってプレーしたい」と言う希望をコンサルした話である。
コンサルといってもこの手の話は全く金にならない。まあ「日本の若者の育成」というボランティアと同じである。
ある日横浜にあるクラブの元Jリーガーの大野と言う奴がやってきた。
こいつは何でもブラジルのプロリーグでも試合に出てたと言う位のレベルである。
「年齢がサッカー選手のピークを過ぎたからベトナムで一旗あげたい」って言う奴の意思を尊重して俺はベトナムにあるサッカーリーグ(Vリーグ)の当時ナンバー2であったドンタムと言うクラブをやつに紹介した。
このクラブは名門クラブで今までVリーグで2回優勝しているし、ベトナム代表選手も5名を抱えている立派なチームである。
俺はこのチームのオーナーと飲み友達で親友であるから「日本から武者修行で来るサッカー選手を預かってくれ」と話をつけた。
そしていよいよ彼が来日して2カ月間そのチームで練習をした後に最終日に試験を受けて合格かどうかが決まるように段取りをつけた。
2カ月間やつは他の選手たちと混じって同じ宿舎内で寝泊まりをして毎日の練習を普通にこなしていた。
練習風景を何回か見に行ったがやはりうまい。
特に左足からのシュートはバネがあっていい。
グラウンドで監督に「やつはどうだ?つかえるか?」と言うふうに聞いた。
ポルトガル人の監督は「エクセレントだ」といった
まあ、うまいと言うことだ。
「ただ悲しいかな背丈がないので小さな戦手はあまり取りたくない」と言う一言も付け加えた。
いよいよ明日はテストの日である。
しかし大事な日を前にして、いきなりヤツは「腹が痛い」と言い出して苦しみ出した。
宿舎で何か悪いもの食ったのかどうか知らないがとにかく地元の病院にヤツを入れて入院することになった。
ローカルの病院の状況というのは非常にファンキーである。