俺たちはベトナムのシェルパ(道先案内人)であることは以前すでに述べた。


これはベトナムにその企業が進出すると言う行為がヒマラヤの山頂やアマゾンの原野を開拓することと等しいからで、そのためにいろんな困難を排除するための道先案内人のことを指す。


賢明な企業は前もってリスクを軽減するためにベトナム投資の前には必ず調査のためにシェルパを雇う。


上場企業ともなると少なくとも1000万円の調査費用コストをかけるのが通常である。


それはそうであろう、それ以降下手なベトナム調査をして設備投資した場合、何十億の損失を被ることを考えれば1000万円や2000万円の調査費用等は安いものであるからだ。


我々コンサルティングの会社はこの調査費用をいただきながら主に以下の4つのデューデリ(調査)をすることになる。


1 マーケティング・デューデリ


そもそもその商品がベトナムで売れるかどうか、または必要とされてるかどうかを調査する。


2 経理デューデリ


買収しようとする企業の過去10何年分の売り上げや利益などの経理状況をチェックする。


3 財務デューデリ


財務に関して例えばその会社が持ってるビルや土地は本当にその会社の名義になってるかどうか、または隠れ負債があるかどうか、この辺をベトナム人弁護士を使って調査する。


4 法務デューデリ


社会主義国であるベトナムは日本では考えられほど労動法の遵守を要求される。

すなわち買収する企業が以前に労働者に対して不当な扱いや給料の未払い等がないかどうかを調査する。


もしこれを怠ると買収後の新しいオーナーである日本企業に彼らはその不満と権利をぶつけてくることになる。


これが意外に侮れない。


とざっと以上のような調査を行い最終的に社長の判断でゴーサインが出るまでに約1年から2年かかる。


問題はその後である。