結構前に設定を考えて、もにょもにょしてたキャラクターを動かしてみた。
30分くらいで勢いのみで書いたから、変な感じ。
説明も何もないけど、宜しかったら読んでやってくらはい。
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僕は公園のブランコに腰をかけてぼんやりとしていた。
この後の予定は特になくて、取り敢えず暇をもてあましていたから、何をするわけでもないけどただ公園にいた。
放課後の公園は少しだけ子供がいる。最近は公園で遊ぶ子供なんて少なくなったなんていわれてるけど、本当らしい。
そういう僕だってまだ子供なんだけど、ま、都合のいい棚上げ主義ってやつだ。
みんな忙しいから、公園でなんてそうそう遊ばないんだろうな。
そう思いながら駄菓子屋で買った棒つきべっこう飴を舐めていたら、長い髪をしたお姉さんがやってきた。
薄いベージュのトレンチコートに、スリムな身体。とても美人なのに大きなマスクが顔の半分を隠している。
僕は知っている。
これは口裂け女だ。
マスクの下の口が何かを云おうとしているのがわかる。
でも、それより先に僕の方から言葉が出てくる。
「久しぶり、リサ子さん」
そう声をかけると、口裂け女ことリサ子さんはにっこり笑って僕の隣のブランコに腰をかけた。
「リーチ君も久しぶり。元気してた?」
「うん、元気だよ。リサ子さんは?そろそろ里帰りするんじゃなかったっけ」
にこにこしていたリサ子さんの表情が、僕の言葉で一気に苦みばしった。
「だーれがあんな家に帰るもんですか。あたしの美しさを妬むような女どもなんてのたれ死ねばいいのよ!」
リサ子さんという口裂け女は、あまりに美人過ぎたためにお姉さん達から妬まれて、口を裂かれたことで生まれたらしい。
だから家族のことを話題に出すのはタブーなんだけど、僕は時々それを意図的に忘れる。
反応が面白いし、僕に危害が及ばないことを知っているからね。
「リーチ君は良いわよねー、頼もしいお父さんがいて、優しいお母さんがいて、怖がりのお兄さんがいるんだものねー」
頬杖をついてリサ子さんはふぅ、とため息をつく。
「あれ、なんで僕んちのこと知ってんの?」
「内山から聞いたのよー。あいつ、暇さえあれば人んちに潜んでんだから」
あ、時々チマ子も潜んでるみたいよ、なんてリサ子さんは笑っている。
「ちょっと、それってすっごいプライバシーの侵害なんだけど」
「いいじゃない、あたしら人間じゃないから、ちょっとくらい秘密が漏れたって怖くないわよ」
ふふふ、と楽しそうに笑うリサ子さん。
そうはいっても、人に見られるのと見られないのとは色々違ってくるんだけど。
「さて、そろそろ行くわね」
そう云って立ち上がると、リサ子さんは夕闇の中に消えていった。
その姿が完全に消えたところで、僕はポケットの中に入っていたべっこう飴が消えているのに気付いた。
相変わらず大好物には鼻が利くんだから。
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人外まみれの小説もどき。
「大丈夫、口が裂けても云わないから」「口裂け女さんにいわれてもなぁ」
という会話が頭の中で閃いたために生まれました。