少し前に購入して少しずつ読み進め、一時中断して、今日一気に駆け上って読み終えました。
恩田陸さんの「ユージニア」
恩田さんは数年来で好きな作家さんですが、刊行スピードが速すぎて購入が追いつきません。
クイックマン内蔵してませんか、恩田さん。
スピードもさることながら、この方の書かれる話はひとつひとつが味わい深い。
すっきりかっきりな話もあれば、なんかすっきりしない、なんか張り付いて剥がれない、そんな話も。
今回は後者のすっきりしない話。
犯人とか計画とかなんとかそこははっきりしてるんだけど、根底にあるものがなんか澱が溜まったようというか、濁った状態で綺麗じゃない。
でもその気持ち悪さが癖になる。
導入のページから惹き込まれた作品は数限りないけれど、読んだー!っていうすっきり感がない作品は少ない。
もっかい読めということですね、わかります。
しかし、恩田さんの描く美少女は本当に素敵だ。
綺麗で賢くてシャープで邪悪でそれなのにどこか危うい。
完全な女王様にもなれるし、ただの女の子にもなれる。そんな狡さが許される存在。
うあー、いいなー、本当に。
そして少女が女性となったときの落差をあんなに影も濃く描ける人っていうのもいないんじゃないか、と。
だって、普通美少女が成長したらすんごい美人になるって考えるじゃないか、常考!
出来ることなら今度はハードカバーで読みたいところ。
装丁に物凄く凝られているそうなので、ひとつの作品として拝みたい。
今度の休みに図書館にでも足伸ばそうかなー。