ブレハッチの新譜が出ました〜。:.゚ヽ(´∀`。)ノ゚.:。+゚
イタリアンコンチェルト BWV971
パルティータ1番 BWV825
4つのデュエット BWV802-805
幻想曲とフーガ BWV944
パルティータ3番 BWV827
主よ人の望みの喜びよ
ショパンのイメージが強いブレハッチですが、これまでもハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、シューマン、ドビュッシー、シマノフスキなどさまざまな作曲家の曲を録音しています。
私個人的には比較的新しい時代のものが好きで、シマノフスキのピアノ曲の良さをブレハッチの演奏によって知りました。また、何かのインタビューでも「ラフマニノフは弾きたい」と言っていたと思います。
ただ、ブレハッチ自身のルーツを辿ると、敬虔なクリスチャンでもある彼自身が、小さい頃から教会のオルガンも弾いてキリスト教音楽に親しんできたこともあり、バッハを演奏するようになるのはかなり本質に根ざしたものだろうと思います。
今までさまざまなピアニストの実演や録音を聴いてきましたが、もちろんそれぞれに固有の「音」や「表現」があります。そしてブレハッチにも独自の音の世界があります。
ブレハッチの演奏に惹かれる人たちは「この音を見つけてしまった」と言うところが共通しています。それを私自身もキャッチできた、ということなのでしょう。
ブレハッチは努力家で勉強家のピアニストであり、いわゆる弾けてしまう大天才ではありません。生い立ちが不遇だとか裕福だとか特別なものでもなく、一般の家庭に育ち、自分の才能を大切にし周囲の人々を大切にしてきた謙虚な人柄をも備えていて、それは日本人のファンをいち早く惹きつけてきました。日本にはファンクラブがあって、クリスマスにはカードやプレゼントをみんなで贈るなどの行事も毎年行われています。
2017年、今年の秋に来日が決定していますが、ショパンコンクールで優勝するきっかけを作ったとも思われる、浜松国際ピアノコンクールが行われたアクトシティでもコンサートを行います。
http://www.hcf.or.jp/life/guidance/premium_series/20171004/index.html
(10/1 京都 青山バロックザール、10/3福岡シンフォニーホール、10/4浜松アクトシティ、10/6横浜フィリアホール、10/10東京オペラシティー 今のところ知る限り。全部行きたいなあ)
プログラムが公開されているアクトシティの情報によれば、バッハは少し、ベートーヴェンとショパンが中心のプログラムのようです。
新譜の話に戻りますが、イタリアンコンチェルトの溌剌とした出だしから、ブレハッチサウンド全開で引き込みます。ブレハッチは繊細というイメージがあるかもしれませんが、この人はかなり骨格の太い演奏だと思います。かなり訓練された打鍵で弱音に明晰さが溢れる、そしてやや余韻を残しながら引っ張りつつ展開していく音の運びが、なんとも心地よく一音一音をいかに大事にしているかということを感じさせます。
「幻想曲とフーガ」BWV944は、ブレハッチの音、表現力、パワーがとてもよく表れていてます。
そしてラスト「主よ人の望みの喜びよ」は、きっとコンサートのアンコールに弾いてくださるのかな、と今から期待してしまう、天国の響きです。