Invaders from Mars  「スペース・インベーダー」


 

トビー・フーパーの大傑作。

最も好きな映画のひとつですね。

この作品は古典的な手法で撮られた、

最後の作品だと思います。

CGは一切無し。

実物大の洞窟、

巨大な宇宙船内部のセットは感激モノですな。

全てが実物大。

スカスカのCGでは絶対に出せないリアル感。

クリチャーの完成度が素晴らしい!

スタン・ウィンストンの職人技が光る。

FXはジョン・ダイクストラ、

臨場感を盛り上げる音楽はクリストファー・ヤング。

いい仕事しています!

主人公のハンター・カーソン、カレン・ブラックは最初で最後の親子共演です。

(パリ・テキサスのハンターです)

 

今回のBD盤ボーナス特典で初めて判ったのですが、

フーパーとキット・カーソンが、

大の親友だった事です。

キット・カーソンはハンターの父親。

其の縁での、

キャスティングだった訳です。

因みにキット・カーソンはパリ・テキサスの脚本家です。

ハンター大抜擢の理由も判明。

最初から最後までドキドキ・ワクワクの展開が楽しい。

ジリジリと観客を焦らす演出に、

フーパーらしさが滲む。

この監督、

撮り方が本当に巧いですな。

 

Invaders from Mars

グイグイ引き込まれるストーリー展開。

見事な映像美と謂い正にトビー・フーパーの世界です。

後味の悪いラストも、

忘れ難い。

 

 

トビー・フーパーの真に偉大な処は、

変に芸術家ぶらなかった点。

娯楽に徹している。

フーパーは少年時代からの映画好きが高じて、

自主制作で映画を撮る様に為った人です。

テキサス・チェーンソーも自宅を担保に借りた6万ドルで、

撮った訳ですが。

公開される目処も全く無いのに、

ガッツがあります。

 

金儲けが目的で映画を製作しているハリウッドの映画人とは、

一線を画している。

彼の映画は本物の映画好きを呻らせるシネマ。

トビー・フーパーの名は、

映画史に恒久的に残ると思います。

 

冥福を祈ります。

 

Invaders From Mars (1986) Why We Love It HD

リマスターBD盤の高画質には感涙。

音響もdtsHD5.1の臨場感が凄い!

 

フーパー、

老いても眼光の鋭さは相変わらずです。

 

今後、

日本盤が出る可能性は未定で、

実現性は薄いと思います。

(DVD版は国内で廃盤)

プレミアム価格でDVDが売買されていますが、

北米盤BDが安くてお薦め。