とうとう部下が3桁になるような部門を任される
事になった。
不倫という以外は、全てが、順風満帆だった。
応援しようと思っていた。
自分の事もケリをつけなければと思っていた。
ところが、私達の気づかないところで、
彼を恨むライバルは、彼が失墜するきっかけを
静かに、そして虎視眈々と待ち続けていた。
部下がミスを隠蔽していた。
時間が経てば薄れてなくなるような
ミスだった。
それを、ライバルが人づてに偶然
聞きつけたらしい。
「告発」された。
彼は何も知らなかった。
「たくさん居る部下を守るのがあなたの仕事
なのよ」
「気づかなかったとは言う。でも部下の責任を負うのが、俺の役目だ」
「仕事に男気をふりかざすのは間違いだよ。
部門全体を守り、発展させるのがあなたの仕事でしょう。」
彼を何度も説得した。私は想像がついていた。
しかし、彼は私の言葉には耳を貸さなかった。
他の誰にも相談せずに、自分を押し通した。
そして頑張って築いた彼の地位は見事に消えて無くなった。
それが、私達2人の最終章の始まりだった。