「夜明け前」
という小説を読んでいたのだが、どうもいまいちエンジンがかからない。。
さんざん読んで
「第一章」
という文字を見たときは
「いままで序章だったのか・・」
と軽く悶絶しそうになった(ノ_・。)
この小説は私には合ってないんじゃねぇ?と思い違う小説を読むことにした。
「人間失格」
太宰治の代表作。これを発表して自殺した事もあり、自分の事を書いているのでは?という声もある。
最近では、デスノートの絵の人が表紙を描いた事で話題となった。
それを読んでみると、この活字嫌いな私が一気に読めてしまった(ノ゚ο゚)ノ
あらすじは
「恥の多い人生を送ってまいりました」
で始まる手記になっていて
東北のお金持ちな主人公は、子供の頃から人の事が信じられず、お馬鹿を演じる事で他人をごまかしていた。
大人になっても、どうしても世の中とは馴染めずいたのだが、女の人からはやたらとモテる。
一回女の人と心中するのだが、女の人は死に自分だけは助かってしまう。
このあたりから世の中に対して脱力感がより強くなり、ますます世の中に馴染めなくなる。
お酒の量は増え、女の人を変えながらもただダラダラ生きる毎日。そんな中、処女らしき女の人に好意を持って
内縁の妻にするのだが、その女の人が男の人にレイプされてしまい、夫婦仲も冷えきってしまう。
奥さんがキツイ睡眠薬を大量に隠し持っていたことから
「自殺する気だったのか・・」
とますます人生に嫌気をさして、その睡眠薬を大量に飲んで自殺を謀る。しかしそれでも死ねずに
お酒の飲みすぎとその自殺未遂の影響で体を悪くしてしまう。
そして、薬局でモルヒネを貰って打ったところ、体の調子がすこぶるいいので、一本から二本と量が増えて
最終的には薬物中毒になってしまう。半ば狂人となり薬を夜中に買い求めたり、最後には自分の変わりきった顔を見て、薬局屋の女性は涙するほどだったという。
そして、結局精神病棟に運ばれて
「狂人」
という烙印を押された時に
「人間ではなくなったのだな」
と廃人になってしまう。最後の
「幸も不幸もありません。ただ一切は過ぎていきます」
という文は結構考えさせられるものがあった。
私がこれを読んだ感想は、この小説は、たぶん10代の頃に読んでも何にも感じなかったと思うし、これから先の
50代ぐらいで読んでも、また今とは違う感想だと思う。それだけこの小説はこう感じろといったメッセージはなく
読み手に委ねている部分が多い小説だと思った。三十代にもなると自分は悪くないのに理不尽に悪者にされたり、失恋したり、挫折してみたり世の中を恨みたくなる気持ちも若干ではあるが分かる。それに、今の暮らしだって、ほんのささいな事から音を立てて崩れていく可能性だって多々ある。人間なんて本当に確信というのは時間の流れだけであって、他に確信を持てるものなどない曖昧なものだという事をこの小説を読んで感じた。
内容は、ちょと行き過ぎている感はあるけど、人間の弱さ、陰の部分を絶妙に描いているなと思った。
夏目が「天才」なら、太宰は「鬼才」といったところか。