砂嵐 五章 完結
あれは、夢だったのか
なんだったのか
僕には解らない、でも何か
暖かい余韻は今でもある
何時ものように仕事に出かけた
最近買った
お気に入りの自転車にまたがって
信号待ちをしていた。
隣りに女子高生がやってきた
思わず「おはよう!」って
言っていた。見ず知らずの
女子高生
怪訝な顔をされた。
あっ!と思ったが
まぁいいか 少し恥ずかしさも
あり、信号が変わると
素早くペダルを踏み走った。
風が心地いい、こんな心地よさは
初めてだ
空を見上げた、真っ青な空
その空のもっと上の宇宙
さっきまでいた宇宙
きっとそこにはまだ
もう一人の自分が居るんだ
思わず大きな声で
「おはよう!」って叫んだ
周りに人はいた、が
いっさい気にならなかった
僕には聞こえた
もう一人の宇宙にいる自分から
「おはよう!」の返事が
また、涙が溢れてきた
より、ペダルを踏みこみ
自転車の速度を上げた
風が背中を押してくれたのが
わかった。
ありがとう
ありがとう
ありがとう。 〈 完 〉