久々のブログで久々に本の紹介をします!

ホントはこれをメインに始めたはずのブログだったのに…

なんか別物になってきた…


で、今日紹介するのは小松エメルさんの「一鬼夜行」です!


これはシリーズものなのですが

(2巻 鬼やらい 上 3巻 鬼やらい 下 4巻 花守り鬼 5巻 枯れずの鬼灯)

今回は1巻の「一鬼夜行」を紹介します!


あらすじあらすじあらすじ


 顔が厳つい上に目つきも悪い喜蔵(きぞう)は周囲の人々に恐れられ、それとなく避けられていた。しかし、もともと人嫌いな上に少々鈍いところのある喜蔵は気にすることもなく、淡々と古道具屋を営んでいた。

 ところが、そんな日々が続くと思っていたのに何故か空から子供が降ってきたことで、喜蔵の調子は狂うことになった。

 その子供は自らを夜行から落ちた鬼だという。

疑心暗鬼の喜蔵をよそにその子供は居候となり、喜蔵の何倍も飯を食べて家計は火の車。お人好しに妖怪沙汰の面倒事に首を突っ込み、喜蔵まで巻き込むので、迷惑この上ない。それでも喜蔵はなんとなく子供を追い出せないでいた。もちろん、もう他人を信じないと決めた心は揺るがないままだったが。

 しかし、小春と名乗ったその鬼について、時々不穏な話を口にする者が時折あった。

 さらに、小春が来てから喜蔵の周囲では不可思議なことが多々起こりはじめていた。

 他人に無関心で何事にも「どうでもいい」という喜蔵は頓着しないが、小春の過去は、正体は一体?寄贈の周囲で何が起こっているのか?



この作品の魅力は…それぞれの想い、と小春の可愛さ!だと思います。


みんな心の中ではそれぞれの想い、弱さも強さも持っているけれど、素直になって人にきちんと伝えることは難しい。時には間違った対応をして、知らぬうちに、気付かぬうちに、誰かを傷つけ、傷つけられているかもしれない。

そんなことは知っているようで解っていなかったみたいです。

今もまだ、解りきってはいませんが…


そして、なんといっても小春が可愛い!大妖怪だから数百か数千歳ではあるのでしょうが、やっぱり子供っぽいところもあり、憎めないところがあり、時々見せる妖怪本来の恐ろしさにある意味の(決して自分のために見せる恐ろしさではないところとかに)健気さを感じてしまう。

なんか…とってもいい子!


 京極夏彦さん(「巷説百物語」で直木賞受賞)曰く、


 「妖怪が妖怪として、妖怪のまま行間を跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ)する、


  正統妖怪小説  である。」


だそうです!



ほんとに素敵な作品だなぁ、と読ませていただきました!


因みにジャイブ小説大賞初の大賞受賞だそうで―それ以前は大賞の該当作がなく、2010年第八回にして小松エメルさんが初めて受賞したそうです―審査員のあさのあつこさんも大絶賛でほんとに尊敬してしまいます…