アンダスタンド・メイビー(上) (中公文庫)/中央公論新社
¥782
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危うさを孕んだ多感な年頃の少女を描いた作品。上巻は主人公・黒江の中学、高校、そして家出に至るまでを描く。黒江はしっかりしていて、健康優良児な印象があったけれど、羽場や賢治と出会うことで不安定さや脆さを抱えた姿が浮かび上がる。彼女は母親から得られなかった愛情を無意識のうちに異性に求めていたのかもしれない。そこに付け入る羽場と賢治の狡さや残酷さが読んでいて苦しかった。私としては彌生くんと幸せになって欲しい思ったけれど、望みはもうないのかな。全てを捨てて東京へとやってきた黒江。彼女の行く先は如何に。下巻へ続く。
アンダスタンド・メイビー(下) (中公文庫)/中央公論新社
¥761
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憧れのカメラマンである浦賀のアシスタントとして東京で暮らす黒江。下巻は怒濤の展開でした。黒江の重くて苦しい過去が明らかに。そして彼女の母親と浦賀、彌生の傷ついた過去も。誰しも悲しくて深い傷を隠し持っているのが切ない。中でも黒江が背負っている物が大きすぎて読んでいて辛かったです。彌生くんと再び付き合うことになったけれど上手くいない二人。彌生くんは黒江の「神様」ではなかった。それを悟ってしまった時の彼女の絶望はどれだけ深かったことか。それでも過去と対峙し乗り越えようとする彼女は強い。希望が見えるラストに拍手。
快楽主義の哲学 (文春文庫)/文藝春秋
¥508
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久しぶりに再読。今の時代にそぐわない部分はあれど「人生には、目的なんかない」と冒頭からなかなか刺激的。読んでいて三島由紀夫の「不道徳教育講座」を思い出しました。「幸福」と「快楽」の違いや「健全な精神こそ、不健全である」「快楽主義とは、何か」などを解りやすく説いています。「快楽主義の巨人」では強烈なエピソードが満載。ゲーテの恋多き生涯には脱帽。そして澁澤さんは「快楽とは、自分で発見しなければ意味がないもの」だと言います。快楽主義の実践は正直に言って無理があるけれど「孤高の異端たれ」というメッセージには同意。
幻想図書館 (河出文庫)/河出書房新社
¥670
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寺山修司が紹介する珍本、奇書の数々。大変興味深く読みました。世の中にはこんなに風変わりで、面白い本があるのだなぁと感心しました。今では読めない「猟奇雑誌」に興味津々。「怪物たちのカーニヴァル」「書物に関する本の百科」「マゾヒズム映画の民俗学」「眠られぬ夜の拷問博物誌」などアンダーグラウンドな匂いに楽しく酔いました。「世界はすべて、ひらかれた本である。問題はどのように「読みとる」べきか、だ。すなわち、本は、あらかじめ在るのではなく、読者の読む行為によって<成らしめられる>無名の形態に他ならない、のである。」
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危うさを孕んだ多感な年頃の少女を描いた作品。上巻は主人公・黒江の中学、高校、そして家出に至るまでを描く。黒江はしっかりしていて、健康優良児な印象があったけれど、羽場や賢治と出会うことで不安定さや脆さを抱えた姿が浮かび上がる。彼女は母親から得られなかった愛情を無意識のうちに異性に求めていたのかもしれない。そこに付け入る羽場と賢治の狡さや残酷さが読んでいて苦しかった。私としては彌生くんと幸せになって欲しい思ったけれど、望みはもうないのかな。全てを捨てて東京へとやってきた黒江。彼女の行く先は如何に。下巻へ続く。
アンダスタンド・メイビー(下) (中公文庫)/中央公論新社
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憧れのカメラマンである浦賀のアシスタントとして東京で暮らす黒江。下巻は怒濤の展開でした。黒江の重くて苦しい過去が明らかに。そして彼女の母親と浦賀、彌生の傷ついた過去も。誰しも悲しくて深い傷を隠し持っているのが切ない。中でも黒江が背負っている物が大きすぎて読んでいて辛かったです。彌生くんと再び付き合うことになったけれど上手くいない二人。彌生くんは黒江の「神様」ではなかった。それを悟ってしまった時の彼女の絶望はどれだけ深かったことか。それでも過去と対峙し乗り越えようとする彼女は強い。希望が見えるラストに拍手。
快楽主義の哲学 (文春文庫)/文藝春秋
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久しぶりに再読。今の時代にそぐわない部分はあれど「人生には、目的なんかない」と冒頭からなかなか刺激的。読んでいて三島由紀夫の「不道徳教育講座」を思い出しました。「幸福」と「快楽」の違いや「健全な精神こそ、不健全である」「快楽主義とは、何か」などを解りやすく説いています。「快楽主義の巨人」では強烈なエピソードが満載。ゲーテの恋多き生涯には脱帽。そして澁澤さんは「快楽とは、自分で発見しなければ意味がないもの」だと言います。快楽主義の実践は正直に言って無理があるけれど「孤高の異端たれ」というメッセージには同意。
幻想図書館 (河出文庫)/河出書房新社
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寺山修司が紹介する珍本、奇書の数々。大変興味深く読みました。世の中にはこんなに風変わりで、面白い本があるのだなぁと感心しました。今では読めない「猟奇雑誌」に興味津々。「怪物たちのカーニヴァル」「書物に関する本の百科」「マゾヒズム映画の民俗学」「眠られぬ夜の拷問博物誌」などアンダーグラウンドな匂いに楽しく酔いました。「世界はすべて、ひらかれた本である。問題はどのように「読みとる」べきか、だ。すなわち、本は、あらかじめ在るのではなく、読者の読む行為によって<成らしめられる>無名の形態に他ならない、のである。」