仏教を講演して四恩の德を報ずる表白 「性霊集」巻第八
私がこの世に生まれて、今まで生きてこられたのは、父と母のおかげである。
その恩は、天よりも高く、地よりも厚い。
「孝行したい時に親はなし」とよくいわれますが、親が元氣なうちは、なかなかその大きな恩に氣付かないものです。
親が生きているうちは、われわれはいくつになっても子供です。
知らず知らずのうちに親に甘え、頼りにしてしまうもの。
両親を亡くしてはじめて、本当の大人になれるような氣がします。
身を粉にし、自分の命を賭してでも親孝行しなさいと、お大師さまは誡められています。