夏水仙(なつずいせん)という花は曼珠沙華(まんじゅしゃげ)と同じ仲間の彼岸花科に属する花です。

 

この花は春に水仙に似た葉を出しますが、その葉は枯れてしまいます。

 

そして、夏の終わりの頃茎が出てきてその上に花を咲かせます。

 

葉も花もお互いに知りません。

 

葉は自分が育てた花を見ることもなく枯れてゆき、咲いた花は自分を育ててくれた葉を知ることは出来ないのです。

 

時間を隔てて葉は生まれ花は咲きますが、葉は必ず後に美しい花が咲くことを信じて枯れていき、花は自分が咲けるのは先に枯れていった葉があったからこそと精一杯咲き誇るのです。

 

この関係は今を生きる私たちと、ご先祖様との関係に似たものがあります。

 

つまり、ご先祖様はまだ見ぬ次の世代が幸せであることを願ってその時代を精一杯に生きていたのです。

 

そして私たちは、そういう大きな命の流れの中で「生かされている」のです。


お彼岸にはそういうことに思いを致し、「生かされている」ことに感謝をして、これからの人生を精一杯生きる為の目標を立てていきたいものです。

 

 

三月の二十四節氣

 

啓蟄 旧暦二月の正節で、新暦三月五日か六日頃です。冬眠していた虫も穴をひらいてはいだしてきます。
 

春分 旧暦二月の中氣で、新暦三月二十一日頃です。春の最中で昼と夜の長さがほぼ等しくなります。春彼岸の中日にあたり国民の祝日となっています。