こんにちは。Hiverです。

 

 

先日開催されたインターネット大会「キタカミプロローグ」において使用した構築を記録します。

(キタカミ図鑑No.001~200のポケモンのみ使用可能なダブルバトル。リージョンフォームの使用は不可。)

 

 

 

以下の画像が使用構築となります。

 

 

 

 

構築の大意

 

サマヨール+ガチグマで「トリックルーム」と「高火力攻撃技」のリスクをつけ、片方ないしは両方を通すことを狙います。

通った行動によってその後の展開を変え、終盤は行動保障のあるポケモンでスイープします。

 

 

 

構築経緯

 

個人的に好きな技である「トリックルーム」を使った構築を、このルールに合わせて組みたいというところからスタート。

 

「トリックルーム」の成功/不成功にそこまで依存しない構築の方が安定すると考えたので、火力で圧力をかけながら「トリックルーム」を使う。「トリックルーム」が失敗しても隣の高火力が通ればそれはそれで良い。という構想で組んでいくことに決定しました。

 

初手から出していくアタッカーとしては、高火力の全体技・単体技を備え非常に攻撃性能が高く、耐久も十分にあるガチグマ(アカツキ)を採用しました。

隣で「トリックルーム」を使うポケモンとしては、耐久面に秀で「おみとおし」で戦略を立てやすくなるサマヨールを採用しました。

 

 

トリックルーム下で強いポケモンが欲しく、全体技・単体技を兼ね備える2匹目の高火力特殊アタッカーとしてニョロトノを採用しました。

 

 

「トリックルーム」が切れた後に裏から出していく、もしくはそもそも「トリックルーム」が通らなかったときも戦っていける高速スイーパー枠として、「おはかまいり」の火力が魅力のイダイトウ(オスのすがた)、「がんじょう」による行動保障が魅力のオーガポン(いしずえのめん)を採用しました。

 

 

 

ここまでドドゲザンの「ふいうち」や、「いたずらごころ」による補助技が少し辛く、先制技を無効にできる枠としてイエッサン(メスのすがた)を採用、アタッカーの援護や「トリックルーム」の補助についても期待することができます。

 

 

こうして6匹が決定しました。

 

 

 

個別解説(採用順)

 

 

◆ガチグマ(アカツキ)

 

テラスタイプ:ノーマル

せいかく:れいせい

努力値:H52-A0-B0-C252-D204-S0

実数値:H195-Ax-B140-C205-D111-S64(個体値31)

とくせい:しんがん

わざ:ブラッドムーン/ハイパーボイス/しんくうは/まもる

もちもの:シルクのスカーフ

 

 

テラスタイプ…ただでさえ強い「ブラッドムーン」「ハイパーボイス」を更に強化でき、弱点も減らすことができる「ノーマル」。

 

調整

・C特化

・A172オーガポン(かまどのめん)の「ツタこんぼう」(A+1&ほのおテラスタル)高乱数耐え

・相手のC205ガチグマの「ハイパーボイス」(てだすけ&ノーマルテラスタル&シルクのスカーフ)(ダブルダメージ)高乱数耐え

・相手のガチグマより遅くしたいため、S個体値31ではあるが性格で下降補正

 

わざ

・「ブラッドムーン」…非常に強力な単体打点。

・「ハイパーボイス」…非常に強力な全体打点。

・「しんくうは」…タイプによって無効化されない先制技として使うことができ、立ち回りの選択肢が圧倒的に広がる。

・「まもる」…盤面を整えるため・大事に扱うために採用。「トリックルーム」のターン調整も可能。あまり強い動きではないが、ガチグマがほぼ確実に縛られているときは初手から「まもる+トリックルーム」も狙いに行く。

 

・「だいちのちから」不採用…前提として、テラスタル時は等倍「ブラッドムーン」の方が弱点をついた「だいちのちから」よりダメージが大きい。また、ノーマル技を半減してくるポケモンの中で主な仮想敵であるドドゲザンは、ガチグマと対面すると積極的に「ひこう」テラスタルを使用してくる。基本的にノーマル技を振り回していれば、必要な場面はそこまで多くないと判断した。

 

もちもの…高火力ノーマル技を撃ち分けることが可能な「シルクのスカーフ」。

 

 

 

 

構築の始点となったポケモン。基本的にこのポケモンにテラスタルを使用する。

 

「ブラッドムーン」「ハイパーボイス」の圧力が非常に高い。もとから高い物理耐久に加えて調整で特殊耐久を伸ばしているため、初手からサマヨールと並べて居座り火力で圧力をかけながら「トリックルーム」を狙っていくプランを立てやすい。

 

すばやさについては、すぐに用意できる個体が個体値31だったため、下降補正のみかけて登用した。相手のガチグマの方が遅くて負けた試合も2試合ほどあったが、最遅であっても結局同速勝負であった可能性が高いし、「トリックルーム」が決まらなかったときに相手のガチグマの上をとって思わぬ形で勝つこともあるので結果的には悪くなかったと感じる。

 

 

◆サマヨール

 

テラスタイプ:はがね

せいかく:なまいき

努力値:H252-A252-B0-C0-D4-S0

実数値:H147-A122-B150-Cx-D166-S27(最遅)

とくせい:おみとおし

わざ:ポルターガイスト/かわらわり/トリックルーム/くろいきり

もちもの:しんかのきせき

 

 

テラスタイプ…主にガチグマを意識し、「うそなき+ブラッドムーン」などでの強引な突破に保険をかけるために「はがね」。

 

調整

・最遅

・総合耐久確保のためH全振り

・ある程度の単体性能確保のためA全振り(目安:「かわらわり」でH207-B140ドドゲザンを高乱数2発、「ポルターガイスト」でH178-B173ヤバソチャを確定2発、H156-B104オーガポンを高乱数2発)

・ガチグマ意識で性格補正はD上昇

 

わざ

・「ポルターガイスト」…自身で火力を出せるメインウェポン。「ちょうはつ」に抗える。

・「かわらわり」…主にオーロンゲの使う「ひかりのかべ」「リフレクター」の対策。ドドゲザン等への打点にもなる。

・「トリックルーム」…採用理由。高耐久により安全に使える場面が多い。

・「くろいきり」…オーロンゲの「すてゼリフ」や「ソウルクラッシュ」、ジャラランガの「ソウルビート」、オーガポンの「おもかげやどし」などを対策でき、安定してガチグマを通せるようになる。

 

 

 

 

大事な「トリックルーム」始動役。

 

ガチグマと並べて先発で出した際に「ちょうはつ」を貰うことが容易に想像できたため、そうした場合でも最低限腐らないようにしたいという考えで攻撃力を伸ばしている。火力を出すことが基本的に想定されていないポケモンなので、放置してきた相手の虚をつくことができる。

 

HPに振っただけでも耐久力は十分にあるし、構築の構造上、初手で落とされてしまったとしても後続から高速アタッカーを出せるのでそこまで問題にならない。

 

ガチグマと並べることを想定した際、「じゃくてんほけん+かわらわり」などのコンボを狙うことも視野に入るが、個人的にはガチグマは単体性能が非常に高いため、相手のバフや自身へのデバフを取り除くことを優先して場をニュートラルに保つことでその性能を如何なく発揮できると考えており、そのために「(相手に撃つ)かわらわり」及び「くろいきり」採用として、ガチグマには安定して性能を上げるための「シルクのスカーフ」を持たせることにした。

「てだすけ」が欲しい場面も、サマヨール自身で火力を出せることである程度解決している。

 

「おみとおし」での相手の型把握も心強く、イッカネズミ+コノヨザルのように強力な裏択が存在する並びにも安心して戦うことができる。

 

はがねテラスタルは何回か使う機会があったが、上位帯で多かった「うそなき+ブラッドムーン」に対して想定通り役立ったほか、単純に自身の弱点を消して攻撃を通していくことができ、サマヨールでドドゲザン、ニョロトノ、オーガポンの3匹を倒して勝った試合すらある。

 

 

◆ニョロトノ

 

テラスタイプ:ひこう

せいかく:れいせい

努力値:H252-A0-B4-C252-D0-S0

実数値:H197-Ax-B96-C156-D120-S67(最遅)

とくせい:あめふらし

わざ:だくりゅう/ウェザーボール/れいとうビーム/テラバースト

もちもの:こだわりメガネ

 

 

テラスタイプ…「テラバースト」でオーガポン(いどのめん)を奇襲する目的で「ひこう」。

 

調整…最遅HC。

 

わざ

・「だくりゅう」…一致高火力の全体技。上振れ性能が高い。

・「ウェザーボール」…命中安定の単体技。これを連打できる盤面にしたい。

・「れいとうビーム」…テラスタルを使用しないときのオーガポン、ジャラランガなどへの打点。

・「テラバースト」…「ちょすい」が厄介な水オーガポン(テラスタル前)に対する打点。

 

もちもの…トリックルーム下でできる限り高火力を出すため、「こだわりメガネ」。

 

 

 

 

トリックルーム下で出すアタッカー。最遅にすると無振りのガチグマ、ドドゲザンなどよりも遅くなる。

 

当初の構想では基本選出の1匹だったが、「テラバースト」があるとはいえやはり水オーガポンを見ると出しづらく、ガチグマにテラスタルを初手から使う方が基本的に戦略が安定する関係上テラスタル権を回すことがそもそも難しいため、選出率はそこまで高くならなかった。

 

この枠を別の鈍足アタッカーにしてもよかったかもしれないが、後述のイダイトウの型誤認も誘発できるため、ポケモンの選択自体は悪くなかったと考えたい。

 

「だくりゅう」は強力なものの、外しによる下振れを考えるとあまり連打したくないため、できる限り「ウェザーボール」で立ち回ることを基本とする。

 

耐久があり先手をとれなくてもある程度は動けるとはいえ、トリックルームが通らなかった時に出しても柔軟に動けるように「てだすけ」などを入れた型にしてもよかったかもしれない。

 

 

◆イダイトウ(オスのすがた)

 

テラスタイプ:みず

せいかく:ようき

努力値:H0-A252-B4-C0-D0-S252

実数値:H195-A164-B86-Cx-D95-S143

とくせい:てきおうりょく

わざ:ウェーブタックル/アクアブレイク/おはかまいり/こごえるかぜ

もちもの:こだわりスカーフ

 

 

テラスタイプ…もともとテラスタルを使う予定はなかったが、一致みず技の火力を底上げできて「ふいうち」等倍の「みず」。

 

調整…ミラー意識の最速AS。

 

わざ

・「ウェーブタックル」…状況によらず高火力を出せる技。

・「アクアブレイク」…HPを削りたくないときに撃てるみず技として採用。

・「おはかまいり」…メインウェポン。この技のおかげで後発スイーパーとしての性能が非常に高い。

・「こごえるかぜ」…後述のオーガポンと合わせたビートダウンの流れを意識した。火力は低いが一応「このゆびとまれ」の影響を受けない攻撃としての役割もある。

 

もちもの…高速スイーパーとしての役割を期待し「こだわりスカーフ」。環境最速のカマスジョーもステータス上は抜くことができる。

 

 

 

 

「トリックルーム」が切れた後、もしくはそもそも展開できなかったときにスイーパーを担うポケモン①。

 

「おはかまいり」の火力は1~2匹倒れた状態でも十分に発揮でき、先述のニョロトノの採用により「すいすい」を誤認させることができているため、「こだわりスカーフ」での急襲が決まりやすかったと感じる。

 

実際「すいすい」での採用も考えたが、ニョロトノを必ず選出するわけではなく、選出した場合でも雨のターンがシビアになることからプレイングが窮屈になると考え、いつでも安定して動ける「てきおうりょく」「こだわりスカーフ」型となった。

 

「ウェーブタックル」で拘ると水オーガポンに、「おはかまいり」で拘るとガチグマにそれぞれ無効にされてしまうため、相手の4匹目が見えていない状態では慎重に技を選ぶ必要がある。

 

 

◆オーガポン(いしずえのめん)

 

テラスタイプ:いわ

せいかく:ようき

努力値:H4-A252-B0-C0-D0-S252

実数値:H156-A172-B104-Cx-D116-S178

とくせい:がんじょう→おもかげやどし

わざ:ツタこんぼう/けたぐり/アンコール/ニードルガード

もちもの:いしずえのめん

 

 

テラスタイプ…「いわ」で固定。

 

調整…ミラー意識の最速AS。耐久は「がんじょう」に任せる。

 

わざ

・「ツタこんぼう」…メインウェポン。命中安定かつ非接触なのがとても偉い。

・「けたぐり」…ドドゲザンに撃てるサブウェポン。ガチグマに対しても通常時、ノーマルテラスタル時どちらにも一貫する。

・「アンコール」…相手の補助技(おもに「まもる」)に対して使用する。「ふいうち」との択勝負を有利に進めることもできる。

・「ニードルガード」…盤面を整えるため・大事に扱うために採用。トリックルーム下でオーガポンを出すことになってしまった場合、この技でターンを稼ぐ必要があるため欠かせない。

 

・くさ技(「ウッドホーン」「ウッドハンマー」等)不採用…欲しい場面も存在するが、上述の「アンコール」が非常に便利で、他に切れる技もなかったので不採用。ガブリアスや水オーガポンに対しても、「さめはだ」「ニードルガード」に接触するリスクを考えると「ツタこんぼう」で削った方が良い場面が多い。

 

 

 

 

「トリックルーム」が切れた後、もしくはそもそも展開できなかったときにスイーパーを担うポケモン②。

 

「がんじょう」の行動保障が偉く、詰めの段階で出す際に非常に心強い。

 

かくとう技+いわ技の攻撃範囲も非常に広く、ドドゲザンに対して通常時・ひこうテラスタル使用時どちらでも弱点をついて攻撃することができる。

 

同速勝負になってしまい「かたやぶり」に注意する必要もあるものの、相手の炎オーガポンに対して強いのは嬉しいところ。

 

くさ技を切ってまで採用した「アンコール」は本当に使い勝手が良く、基本的に警戒されないので相手の「まもる」に対して使い安全に詰めていけることが何度もあった。レート1800に乗った試合でも、「ふいうち」を透かしながら隣の「まもる」に対して使うことで劣勢を捲ることができた。

 

とりあえず後発に控えさせておけばだいたい仕事をこなしてくれるため、9割ほどの試合で選出していた。

 

 

◆イエッサン(メスのすがた)

 

テラスタイプ:エスパー

せいかく:おくびょう

努力値:H4-A0-B0-C252-D0-S252

実数値:H146-Ax-B85-C147-D125-S150

とくせい:サイコメイカー

わざ:サイコキネシス/まもる/てだすけ/このゆびとまれ

もちもの:きあいのタスキ

 

 

テラスタイプ…もともと使う予定はなかったが、一致エスパー技の火力を底上げできる「エスパー」。

 

調整…耐久は後述の「きあいのタスキ」に任せた最速CS。自身が戦う場面は主にトリックルーム解除後のため、少しでも火力とすばやさがあった方が良いと判断した。

 

わざ

・「サイコキネシス」…一致ウェポン。サイコフィールドのおかげでそこそこ火力が出る。

・「まもる」…盤面を整えるため・大事に扱うために採用。

・「てだすけ」…トリックルーム下でも通常時でも盤面にいて腐らないようにする技として採用。ガチグマの「ハイパーボイス」に重ねるのがシンプルに強力。

・「このゆびとまれ」…イエッサン♀の代名詞ともいえる技。アタッカー達の行動を通していけるほか、何が何でも「トリックルーム」を使わなければならないときに先発でサマヨールを補助できる。

 

もちもの…確実に攻撃を1発耐え、先発・後発いずれの出し方でも役立つ「きあいのタスキ」。オーガポンの「がんじょう」と合わせて、構築に実質「きあいのタスキ」持ちを2匹採用できるのは大きい。

 

 

 

 

 

先制技耐性&「てだすけ」「このゆびとまれ」で構築全体の補助をするポケモン。

 

CS振り&「きあいのタスキ」はあまり一般的な育て方ではないと考えられるが、おもに「トリックルーム」が切れてから頑張ってもらうことを想定しており、また先発で「トリックルーム」の補助をする際はあまり耐久が高いとスムーズにガチグマを出すことが難しくなるため、本構築ではこの構成が合っていた。

 

構築全体でやや重いジャラランガに対しても(最速同士だと同速になってしまうものの)上をとって一致弱点で攻撃することができる。

 

「サイコメイカー」により「ふいうち」や「いたずらごころ」補助技に耐性をつけられるのもとても強力で、タイプ相性的には不利だがドドゲザンやオーロンゲが見えたときは後発に控えていると安心できるポケモンだった。

 

 

 

選出

 

 

先発:

後発:から2匹

 

 

基本選出。

ガチグマの攻撃で圧をかけながら、サマヨールの「トリックルーム」を構えます。

 

「トリックルーム」が通ればそのまま鈍足アタッカーで攻め、通らなくてもガチグマの攻撃が通っていれば相手を確実に削れているうえに「おいかぜ」などを使っている余裕を与えていないので、高速アタッカーを出して攻め切ります。

 

(ベストとしては、ガチグマとサマヨール両方の行動を通すことです。)

 

ガチグマとサマヨールが同時に行動して相手にリスクのある2択を迫ることがコンセプトとはいえ、後続にニョロトノを選出していて確実にトリックルーム下で動いてもらいたいときなどはサマヨールの行動を通すことを強く意識します。

 

トリックルーム下で高速アタッカーが動くことにならないよう、ターン管理には注意が必要です。

 

 

 

先発:

後発:or

 

 

高速で固まった相手で、「トリックルーム」さえ決めれば確実に勝てる、というとき等に選出します。

 

イエッサンの「このゆびとまれ」でサマヨールを補助します。この2匹が盤面に残ってしまった場合でも、2匹とも火力を伸ばしているため最低限ではありますがそのまま攻めていくことも可能です。

 

 

 

先発:

後発:から2匹

 

 

「トリックルーム」ミラーが想定されそうな低速構築相手に選出します。

 

イエッサンで補助しながらガチグマの攻撃を通していきます。こちらのガチグマはすばやさ下降補正とはいえ個体値31のため、「トリックルーム」を使わず相手のガチグマより速い想定で動きます。

 

 

戦績

 

キタカミプロローグ マスターカテゴリ

31位 (レート1804.970)

 

 

 

 

 

おわりに

 

この構築は最終日夜に急遽組み上げたもので、対戦消化は夜通しで行うというハードスケジュールでしたが個人的に良い成績を残すことができて満足しています。

 

PJCS予選を経て久々に行われた制限ルール公式大会でしたが、使用ポケモンに制限がかかっているルールは全国ルールとはまた違う楽しさがあるので、今後開催される公式大会も楽しみながら取り組んでいきたいです。

 

 

ここまで読んでいただきありがとうございました。