絵を描く時っていうのは、(キャンバスに)見えたイメージを描くだけなんすよね。それを山でやってみたら、もう凄まじかって。
たっくん
「こないだ山に行った時に、山を見ながら、『山を、絵を描くものとして見よう』と思ったことがあったんすよ。
アッキーさんとかみんなとキャンプ行ったんすよ。去年かな。
あ、ちなみにアッキーさんとは和解しまして(笑)。」
すぎ
「(笑)。」
たっくん
「朝一人で外に出て、山の中でボケーとしてて。
なんかその時はもう、体がそうしなきゃダメやって。森林浴というか。もうすっごい求めてて。
実際それをしたら、すっごい気持ちよくて。
で、ずっとボケっとしてたら、ふと、今こう、目に映ってるやつを・・・。
例えば、いつも絵を描く時は、こうやって白いやつ(=紙やキャンバス)を見るじゃないですか。
(自分が絵を描いてる時というのは)なんか、だいたい(その紙やキャンバスに)見えたやつ(=絵のイメージ)をやる(=描く)だけなんすよね。
なんか、だいたいあるんすよ、そういうの。
それを山で見たらめっちゃやばいやん、と思って。山をキャンバスとして見るというか。
で、やってみたら、もう、凄まじかって。
地面から・・・ウワーって練り上げて来て。
ほんまに何も(危ないものとか)してないっすよ(笑)。
で、木が立ってるじゃないすか。
・・・っ凄かって、それがなんか。あれやばかった。
あれをそのまんま描けたらなとか思ったけど、無理やろなぁ。
・・・すごい光景でしたね。
だから俺、自分が目が悪いのも幸いやなと思ってて。
(目がよかったら)見えすぎてしまうから、いらん情報が。
そういう時に、バッと眼鏡を取ると、イメージが広がりやすいんすよね。
それですっごい、なんかもう、木が生えてるとこからのうねりが凄かって。
ウワーってこう出て来て。
木も直線やと思ったら今度光のあれでまた違う線が入って来て。
自然やけど、やっぱこの線が凄かって。
光の線と、木の線と。
で、大地のこのこっちのうねりと。
で、山の葉っぱとかの、そういうやつと。針葉樹林やったんでまたそれのね、あれと。
あ、ちょうどそん時に撮った映像をハイライトにしてインスタに残してるんすけど。
で、この前の日の夜かな。
(山だから)やっぱ星がよく見えたんすけど、みんなで(星を)見に行く、ていう流れになって。
けど『みんなで行っちゃったら違うな』と思って、空気読めへん嫌なやつやなって自分で思いつつ、みんなが(星を見に)行ってる時にずっと、出やんとこと思って。
(あとで)一人で行こうと思って。
で、みんなが帰って来るくらいの時に、そっと外に出ようとしたら、ヨシタクさんだけ『お。お前、行くか?今』みたいな(笑)。
ああ、(この人)さすがやなーって(笑)。
で、タクさんだけ一緒に行って。
で、星見てたっすけど、すごいっすね。
あれは、知らん人が(星を見てる)僕のことを見たら、『幽霊いた!』って言うかもなって、そういう感覚に陥って(笑)。
だって暗闇にっすよ、こんな奴が、なんもないとこにポツンとおって。
で、たまに星に食らうんすよ、自分。
ウワー!みたいなるんすよ、なんか。
タクさんも(そのたっくんを見て)、『おおっ、大丈夫かお前』って(笑)。
で、星を見てたら、今度、わかんなくなってくるんすよ、感覚が、自分が。
草間彌生(の作品)とかも、結構そういうのが好きやったりするんすけど、
バッてこう自分の視界全部を埋めた時に、すごいことになるんすよね、なんか。
ゾーンに入るというか。
それを星でやりたかって。
やったら凄かって。
うん。
そもそもやっぱ田舎で育ったのもあるから、本質としてそこは大事なんやなと思って。
あ、あとね、雪もすごいよくて。
まず音が最高なのもあるし、雪降ってる時のあの独特な空色があるんすよね。鉛色までいかない、ちょっと白っぽい。
それをこう、バッて地面に寝っ転がって、上を見ると、白いところから白いのが、気づいたら見える、みたいな。
『ファッファッファッファッ』って。無限にくるんすよ。
あれ、すごいっすよ。
視界全部空に埋め尽くして、それを見たら。
それって難しいんすよね、なかなか。ほんまの田舎でないと。
あれがねー、最高なんすよね。
あとはその、積もった時の音っすね。
静かな音。音のない音というか。
(雪が音を)吸収するとか言いますよね。
あれは、イメージで音を感じてるだけなんでしょうね、きっと。
あれ、気持ちいいすね。
今思ったら、これ(インスタにあげている動画)とか割とそんなイメージで作ったんかな。
コンプレックスをリリースした人たちが、絵とかをやってて出会った人たちの中で、かっこいいなって思ったっすね。
たっくん
「なんか、(周囲から自分が)変人扱いされてるっていうのが慣れてきたのもあるし、求められてるのもあるんやろなとか思ったりもして。
あのー、中にはねおるんすよね、”そういう”人でありたいと思って、”それ”を着飾ってる人たちも。
『それがハイセンスでしょ』みたいな(笑)。
それが俺は苦手やったというか。
そんなんもう、普通にしようと思っても無理やから。
コンプレックスをリリースした人たちが、絵とかをやってて出会った人たちの中で、かっこいいなって思ったっすね。だからやっぱマーテンとも一緒におるし。
やっぱり、『病み』の強さっていうのもあるんすよね。
そこを振り切った強さを本質に持ってるっていうところが、やっぱり人間的にグッとくる部分だったりするのかな。
『ワンパンマン』みたいな”最初っからマックスで強い”みたいなアニメもあるけど。
じゃなくてね、『ベストキッド』とか。特にああいうやつの方がね、なんか。最初っから強いわけじゃないっていう。サクセスストーリーっすね(笑)。
ただ僕の場合、その『マイナス部分を力にしてる人』がすげーなって。やっぱ、魅力感じたっすねえ。
反対のコンプレックスを、一番ダメージ受ける形に変えて返すというか。
『カウンター』って、めっちゃテンション上がるんすよね、なんか( 笑)。痛快なんすよね。
だから、一回水族館行ってみるかなー。
水族館で絵描いたらやばそうやなー(笑)。」
”トラウマ”っていうものの大切な部分やなって思ってることが一個あって。大人になったらそれがすごいエネルギー源になるなっていう。
たっくん
「僕、自分の中で、”トラウマ”っていうものの大切な部分やなって思ってることが一個あって。
なんていうんすかね。言葉わかんないすけど、絵を描き始めて、”そこに興奮する”というか。
昔、山村浩二っていう人の『バベルの本』っていうアニメーションの作品があって。
それが土曜日とかの夕暮れ時にNHKでたまたまやってて。『みんなの歌』が流れる前にたまになんかやってたりするじゃないすか。
それをちっちゃい時に見てすっごい怖かって。
そもそも俺、寂しがりやっていうか、家に誰かおらんかったら嫌って感じやったんすけど。
ちっちゃい頃に家で昼寝してて、起きたら誰もいなくて、一人で留守番してる時にテレビをつけたらそれ(=『バベルの本』)やってて。
"恐怖"でしかない、みたいな。
でも、今になったらその時の恐怖がすごいエネルギー源というか。
大人になったらそれがすごいエネルギー源になるなっていう。」
すぎ
「へー。その映像のイメージも元になってるん?」
たっくん
「なってるっすねー。
あの作品は、”目玉”が強烈やったっすね。なんか覗いてんすよ、こうやって。
あの作品と、ちっちゃい頃見てた怖い夢の感じとが、すごい似てて。
あの時見てた夢は、なんか重くてすごいドロドロしててすごいでかくて・・・っていうものが、迫り来るみたいな夢。
例えば、津波とか、ホットケーキの素みたいな、ああいうイメージ。
すごい巨大で、押し寄せてくる、っていう。
まず、”でかい”って怖いなって。
それ(=その恐怖)をエネルギーに変えた時ってすごいなって。
だから、カウンターっすよね、ほんま。
そこまではあんまりまだできてはいないから、いつかできたらなとか思ってはいるんすけど。
あと何が怖いかって言ったら、『怖いものがなくなってしまうのが怖いな』って思ったりして。
”死ぬ”とかに対しては、意外と(怖さは)ないんすよね。死ぬときは死ぬやろっていう感じで。
まあ、まだ僕の人生でそこまで直面したこともないっていうのもあるんすけど。
それよりも、その”感情的な部分の『怖さ』”とかは、実際にあるから。
(絵を)描いたときに向き合ったのは、”そこ”でしたね。
血と、愛と、そういうエネルギーなんか。
(って考えると、)そらなんか、アートをやってる人って、”そういう”人多いわなーというか。」
すぎ
「ちっちゃい時にその番組を見た時の感情の記憶は、割と普段から覚えてた感じなのか、絵を描き出してある日ふと「あ、そういえば」って感じで思い出したのか、どっち?」
たっくん
「ああ、そうですね。後者ですね。『そういえば、その恐怖心あったな』って。
どっちもあるんすよね。
ちっちゃい頃やって楽しかったなっていうもので、大人になってやってみてもやっぱ楽しいっていうもの。
(ちっちゃい頃怖かったもので、)『大人になってあれ見ても怖いんかな。あれ見るの、何が怖かったんやろ 。』(とか思って、大人になってから見てみたら)やっぱ今でも怖い、っていうものと。
やっぱ自分の感性刺激したいが故に(そういうのを見てみたりするけど)、割とホラー映画とかを観ても”その怖さ”はなかったり。
何個か『バベルの本』の映像送っときますね。
この人の絵がまた独特で。
今僕はめっちゃ好きですけどね、結局。」
すぎ
「(映像見ながら)いや、でもこれはあれやな、これは怖いな(笑)。」
たっくん
「この絵もいいんすよね、なんか。」
すぎ
「いやでも俺これ今見てもゾワゾワするわ(笑)。」
たっくん
「これをちっちゃい時の土曜日、目さめて、家に誰もいない、てなって、テレビつけたらこれやってて、でもアニメやから見ようと思って。
これはちょっと見てほしいっすね。
音とかもやばいんすよね。
(映像見ながら)
・・・これちょっと、この作品掘り下げたいな、なんか。
だいぶやばいっすよね。
冒頭だけ見てもらおうかと思ったけど、見てまうなー。
やっぱ深層心理に残ってるんでしょうね。トラウマのエネルギーってすごいなって、思いましたね。
さっきのテクノの危なさとかもそうやけど、今ちょっとそういうのに惹かれてるんかな、もしかしたら。
(この話の前に、ken ishiiというテクノアーティストの映像作品を観ながら、”昔描いた近未来”的な怪しいSF感にリンクするのがテクノだと感じてて、今一番それにテンションが上がってワクワクするという話をしていました)」
すぎ
「そこに刻まれたものが、原動になってんのかねー。」
たっくん
「(昔感じた恐怖やトラウマに今また惹かれてるのかもって思うのは、)昔に比べたら、(たっくんの絵に対して)『アートだな』ってひとくくりに言われるよりも、『危ないな』『やばいな』『怖いな』って、そういう表現のされ方が増えてきたのもあるしなとか思って。
最初、”目”ばっかめっちゃ描いてたんすよね。
けど、そう(=”目”をめっちゃ描くねって)言われるのがすごい嫌で、(”目”を)描かなくなっちゃって。
それは僕、踊りも一緒やって。
まあ実際すごい真似してたのもあるけど、ずっとJazzyJの真似してたら、みんな(たっくんに)会ったらJazzyJの動きの真似してきて、それがすっごい嫌やって、『もうするもんか!』って思って。
してまうんやけど、結局(笑)。
まあでも結構ひねくれてるというか、天邪鬼やったから、そういうので、やらなくなちゃたんすけど。
でも本質はそうやったのになーとか思ったり。
ほんまにワクワクしてたのがそこやったのにって。
踊りは今は、本質としてJajjyJの真似やフロアムーヴが楽しいというよりは、ずっとオンビートでヒット打ってるのが楽しいなって、やっとなってきて。
だいぶ踊り方最近変わってきたと思うんすけど。
”目”も、今になって目ん玉描いてみたら、どうなんやろ。
“目”の威力をめっちゃ掘り下げてミニマルにしていったら、『二重丸』っていうものにすごい惹かれるんやなって。まず、”円”に。
エロで言ったらおっぱいもそうやし。
人間もね、目と目が二重丸になってるし。
”円”のそういう惹きつけとかもすごい、あーって思ったりもして。
直線がテクノとかで、曲線がグルーヴとかの部分っていう、結構きっぱり分けて楽しんでる部分があって。
たっくん
「また、いわゆる属性とかもあるでしょうね。直線が好きな人と曲線が好きな人とで。
僕はどっちも好きっす。やけどやっぱどうしても男なんで曲線かな、とか。まあ女性でも曲線(の方が好き)っていうのはあるやろなぁ。
人間って直線があんまりないっすもんね。
直線のものってそもそもあんまりね(自然にない)。
だからそこが僕の中で、直線がテクノとかで、曲線がそういうグルーヴの部分であったりっていう、なんか結構きっぱり分けて楽しんでる部分があって。
テクノがわかったからこそ言えるやつっすね。
あ、あれ、『schola』やったっけな。
NHKで坂本龍一がやってる音楽の学校みたいな番組があるんすけど。
それにYMOが出てる回があって。
『グルーヴのない音楽の追求』っていうめちゃめちゃ面白いやつで。
で、その回で沖縄民謡とかを掘り下げたりしてて。
音と音との間隔があるじゃないすか。
沖縄民謡はそのタイミングが微妙に(等間隔とは)違って、その(沖縄民謡独特の)音楽ができてる、みたいな。
で、仮に音と音の間隔が均等であっても、ベロシティていうのかな、音量の大きさが違うかったら、音のタイミングが違うく聞こえるっていうのとか。
あと、"スイング"とか、そういうのをめっちゃわかりやすくやっとって。
ウワー!!って思って(笑)。」
すぎ
「見てー!!(笑)」
たっくん
「忘れんうちに(YouTubeの映像)全部送っときます(笑)。(すぎさん)ドラムやっとったらその辺モロやと思うすね。」
