THE VENTURES(ザ・ベンチャーズ)は1966年3月18日、4人のフルメンバーとしては3回目の来日を果たしました。
メインは勿論3月20日から31日にかけての東京・静岡・福井・富山・石川・神奈川でコンサート・ツアーでしたが、前年夏に親交を深めた加山雄三とのプライベートでの交流、及びTV番組での共演がありました。
使用されたアンプはmosriteの真空管式試作アンプで、フェンダーやグヤトーンとは違った独特の音色でした。


加山雄三が経営に関わっていたパシフィックパーク茅ケ崎が宿泊場所として選ばれており、そこにあった加山雄三&ザ・ランチャーズの練習部屋で、オフタイムにはザ・ベンチャーズと加山雄三&ザ・ランチャーズの合同練習が行われました。
ザ・ランチャーズのサポートメンバーであった堤光生によって録音された音源がありますが、ザ・ベンチャーズによる模範演奏とTV番組での共演のリハーサルが収録されていました。

 

 

ザ・ベンチャーズのノーキー・エドワーズから直々に演奏テクニックを教わった加山雄三、同年夏の日劇でのワンマンショー「加山雄三ショー」を記録した映画「歌う若大将」の中でその成果が見て取れます。
3月30日にフジテレビ『サトウ 勝ち抜きエレキ合戦』でベンチャーズ特集が放送されましたが、三鷹市公会堂での特別プログラムで一般の出場者は無し、「ドライヴィング・ギター」「ウォーク・ドント・ラン’64」「ナポレオンソロ」「君といつまでも」「キャラバン」を演奏しました。
この時の「キャラバン」では途中のメル・テイラーによるベース叩きの際に、メルがドラムセットから離れて前に出てノーキー・エドワーズに持たせたタンバリンを叩いている様子が伺えました。
その後ボブ・ボーグルのベースギターの弦を叩きながら同時にタンバリンも叩いていました。

 

 


東京公演で個人撮影された写真にも同様の行動が記録されていました。





4月6日には再びフジテレビ『サトウ 勝ち抜きエレキ合戦』にゲスト出演して「蜜の味」を演奏しました。
 


4月7日には日本テレビ『ビッグ・ヒット・ショウ』で加山雄三&ザ・ランチャーズと共演し、「夜空の星」「ワイプアウト」「ドライヴィング・ギター」「蜜の味」「ナポレオンソロ」「君といつまでも」を演奏しました。
「夜空の星」と「君といつまでも」は加山雄三の歌入り、「ドライヴィング・ギター」は加山雄三とノーキー・エドワーズが交互にリードを弾くという豪華版でした。

 



その他の主なTV番組出演は、3月23日にフジテレビ『スター千一夜』、4月5日にフジテレビ『ザ・ヒットパレード』。
この来日時には公式ライブレコーディングは行われませんでしたが、東京公演を一般個人が客席から録音した物が存在しています。

 

東京公演を収録したとされる実況録音盤『VENTURES IN JAPAN』ですが、複数の公演から、ベストなテイクを選ぶ形で編集された事が確認されました。リードギターが右側から聞こえる曲と左側から聞こえる曲があります。右側から聞こえる曲に関しては、左側から聞こえるドンのリズムギターの音にタタッ、タタッ、タタッという感じのリバーブ効果が感じられます。これは意図的に編集時に加工したのかと思っていましたが、どうやら収録時のマイクの位置の違いによって生じたと考えるようになりました。成毛滋氏による個人録音と同じテイクである「ワイプ・アウト」と「キャラバン」はリードギターが左側から聞こえます。「パイプ・ライン」と「バンブルビー・ツイスト」も左側から聞こえますので、1月10日の東京厚生年金会館(昼の部)での演奏を収録した可能性が高いです。

 

 

実況録音盤『VENTURES IN JAPAN』は若干ピッチを上げて収録されています。「聞々ハヤえもん」というフリーソフトを使って加工して比較してみました。再生周波数を下げるので再生時間は長くなります。(レコードを遅回しにした状態) 一曲目のベンチャーズ・メドレーは加工前は再生時間が3・30ですが、加工後は3・34となっています。 僅か4秒の差ですが、結構雰囲気が変わります。

こちらはピッチを修正した後の状態です。

 

 

こちらピッチを修正する前の状態=レコードやCDとして販売された状態の実況録音盤『VENTURES IN JAPAN』、1曲目であるベンチャーズ・メドレーです。 ピッチがズレているので聞いていると気持ちが悪くなってしまいますが、迫力が増しているように聞こえてきます。

 

 

どうでしょうか?違いを感じて頂けましたでしょうか?

前回の投稿でグヤトーンとフェンダーの音色の違いは感じていただけたでしょうか?

私のバンドによる演奏で、同じくグヤトーンとフェンダーの音色の違いを確認してみて下さい。

まずは2004年に収録した演奏です。
 

 

フェンダーのアンプ使用、どうしてもあの高音域が伸びないモワッとした音色にはならなかったんです。

続いて同じくフェンダーのアンプ使用、スタジオでの練習時に収録した演奏です。

 

 

やはりあの高音域が伸びないモワッとした音色にはなりませんでした。

そして最後に、1965年1月来日時の東京公演で使用された、グヤトーンのアンプGA-950の後継機種であるGA-960 BLACK 5と、フェンダーのスピーカーBOX、1963年製のmosriteの組合せによる試奏。この高音域が伸びないモワッとした音色は、実況録音盤「VENTURES IN JAPAN」その物ですね。

 

 

この組み合わせで、2024年11月に演奏しました。
1965年1月10日の東京厚生年金会館での成毛滋氏による個人録音のテイクを含めて演奏しています。

 

 

グヤトーンとフェンダーの音色の違いは感じていただけたでしょうか?