明けましておめでとうございます。
帰国しました。





昨年は大事な年末の東洋・世界のタイトルを奪取できず、残念な年越しとなりました。






タイトルに挑戦したストロング小林佑樹、坂本真宏は勇敢に、その時に持てる力を出しきってくれました。







年末のタイトルに挑んだ二人は不利も承知の上で闘ってくれました。







ストロングは3回倒されて、そこから猛烈な追い上げで11Rまでジャッジ3者、全てのラウンドが全く同じのドロー。





3回倒されて11R終了時点でドローなんて・・・と思われそうですが、東京のジャッジの福地さんもドロー、因みに自分の採点も同じくドローでした。





勝負の最終ラウンド、残り30秒までは優勢に見えましたが、最後の最後にダウンを喫してしまい2P差で敗けました。勝った栗原選手は評判通り強かったです。





でも予想以上の頑張りを見せてくれたストロングもまた強くなってくれた。






5R終了ゴングとほぼ同時に喫したダウンで勝負あったかと思い、インターバルで棄権する選択もありましたが、帰ってきたストロングの目と発する言葉は死んでなかった。







『絶対に諦めません!!』そう言ってリングに戻った。栗原選手の体重の乗ったパンチが当たればすぐ試合を止める準備をして見守った。




でも、そこからの猛烈な追い上げでポイントを取り返してきた姿は、観てる人の心にも届いたんじゃないかな。






それだけに惜しい試合でした。








そして坂本の世界挑戦。







キャリア不足、もう少しレベルを上げてからと思って正直、反対派の自分でした。





本人もそれを重々理解していて、何よりこの世界戦にかかる費用などで沢山の人を巻き込むと言う責任、重圧も尋常じゃなかった。






ボクサーは上に行けば行くほど、その責任と重圧がのしかかる。






水面下で世界戦の話が進んでいた時。






『自分の夢に沢山の人に迷惑はかけれないし、今の自分の実力もわかってます。正直、恐いです。背負いきれる自信も実力も無いので諦めます。』







これが坂本の本音だった。







数日間、夜中も電話で話した。







反対派の自分が言うのも矛盾してるが、それは違うと説得したのも自分でした。







自分がまだ選手だった時、日本タイトルマッチに敗れた後、応援して頂いてる人に、『次はチャンピオンなれる。もう一度タイトルマッチをやればいい。やるなら準備する』と言われ、自分に投資してくれると言って頂いた。









でも自分は引退した。






坂本と同じように背負いきれる自信がなかった。期待を裏切って、負けた時の事を思うと恐ろしくて踏み出す事ができなかった。









時が過ぎてこの年齢になり、今は後悔しか残ってない。







本当の意味で裏切ってしまったなと思う。





応援してくれた人にも、自分自身にも。






だから同じ状況にある坂本の事が、何となく理解できた。







その上で『そんな理由で諦めるなら闘え』と自分の経験も坂本に伝えた。








今の自分が後悔してるなら、同じ状況で苦しんでいる坂本もきっと後悔する。







同じ後悔を自分が見てる選手にしてほしくない。と言うかさせたらトレーナーとして無能。








そして坂本は闘う事を選んだ。






それからの坂本は凄いスピードでレベルアップしていった。期待できるレベルにまで持っていけた。







そしてマカオへ乗り込み、実力派の世界チャンピオンと拳を交えた。








結果、壁は高く厚かった。









だけど、ええやないの。







一生懸命やった。







文句言うたり、けなす奴は少なからずおるやろ、でもこの闘いで熱くなった人の方が圧倒的に多いから大丈夫。







今は悔しく申し訳ない気持ちと、やり場のない虚しさと怒りが混じってると思う。







でも自分と向き合って、あの時の恐くて諦めようとしてた自分に勝って前に進んだんだから、数年後には絶対に笑える。笑って話せるようになる。








前に進まなかった僕は今でも笑えない。







でもあの経験は無駄でも無い。それが今の原動力の全てになってるから。







ベルトを巻かせてやりたく、自分も一生懸命追い込みました。遠慮せずに指導したし、怒ったし、減量も口うるさく言うたし腹もたっただろう。ひしひしと伝わってきたw








でも彼らはそれに従った。






それで結果がついてこなかったのは指導力が足りなかったトレーナーである自分の責任で、選手は悪くありません。








責任とってこれで辞めたら綺麗で楽になるけど、選手にやれ言うて自分は何やねんになるので僕もまた前に進む。








トレーナーの終わりは自分で決めないと永遠に無いと言うが、まだここは終わりじゃない。









敗けた責任も










勝ってとる。








え~~












今年も宜しくお願い致しますww







あ・・・追伸。





風呂なし洗濯機なしファイトマネーなしだと会長の記事がバンっと出て『それは可哀想やん』って思ってる人もいらっしゃるだろうと思って書きますね。

ホテルは試合がなかなか決まらないから予約がとれず、クリスマスと年末で満室もあったりで、決してハングリー精神目的じゃないですw

僕らがええホテルに泊まるのは違うし、と言って高級ホテルに坂本を1人宿泊させても、高級ホテルと普通のホテルは場所から何から全然違う。天王寺ー梅田とか池袋ー渋谷くらい多分違うww感覚でw

知らん国でそれは不便で選手1人にするのも不安。ホテルの写真見たら結構普通で選んだ結果、来て見てビックリの高度なパネルマジックww

ファイトマネーなしも、ファイトマネーの名目としては無いだけ。うちの会長はそんな血も涙も無い事しません。言うてええぐらいの。よく誤解されやすいけど、弁解もせんので、名誉のために一応、僕から代弁しときますw