武市物語・９章

京都に帰り、就職した先は



京都らしく、








着物関係の仕事




洋服なんかも作ってた


いろんなとこへ出張してたなぁ



その時はボチボチ楽しかった



いろんな人と出会い、ボクシングとは別の苦しさなんかも経験





しかし不況





着物不況




京都にも着物きてる人をあんまり見ないのに、景気いいはずないし




どうにかならんか・・・。




そこで





俺は立ち上がる






ミニマム立ち上がる(笑)




着物作る技術あるんやったら何でも作れるやろ







ボクシングのガウンとかトランクスぐらい作れるんちゃうの






元・ボクサーしか思いつかない発想






さっそく仲良しの職人さんに聞く






僕の現役時代のトランクス１着を解体







結果。






『いけると思う』






でもその後、いろんな問題もあって、大変やったけど、やっと商品にできるぐらいになった





俺の思いは


４回戦でも世界チャンプでも、リングに立てば関係なく、『主役』


格好つけたい気持ちだって、有名選手、無名選手、関係ない


貧乏４回戦でも手が届くぐらいの値段設定にして


よく売ってる既製品じゃなく


選手オリジナルのトランクスで


気持ち良くリングに立ってもらえればなぁ



俺も現役時代、金がなかった


カッコいいトランクスを作る事が、どれだけ高いかも知ってる。


まじで平気で５万以上とか１０万とかするのもある



それを半額近い、かなりの低価格にする事ができた




しかし




どうやって売り込むか




まず京都のジムに売り込む。





あれ？？反応薄い




大阪へ行く






やはり反応薄い





しょうがない





営業が




チャラリーマン武市やし




しかも元・ボクサーとも語らず、突然のジム訪問。




中には、関東でボクシングしてへんかった？？


って気付くコーチもいてはったけど



基本的に怪しいのは当たり前





なかなか売り出すのは難しい




どないしよ





ピーン(゜o゜)







『金沢ジム行ってみよう藤谷さんいるし困ったら来いって言うてはったしな』





我ながらナイスアイデアやないの






俺の人生は





ガイダンス・・・





ボクシングの神に導かれるように・・・





生野区巽北２丁目





金沢ジムへ







行っちゃうのよねぇ






ﾋｮｺﾋｮｺ






行っちゃうのねぇ





１０章へつづく