武市物語・８章

新人王になった俺は、怪我を治すため、しばらく休養した





平和な毎日





目標もなく、楽しい日々が過ぎていった





ところに・・・。




『ライトフライで山口真吾とやるかー？』





って話しがきた




山口真吾選手。


知ってる人がほとんどやとおもうけど、


山口選手とは・・・


東洋太平洋王者になっている。
世界タイトル戦も経験している。
国内の軽量級ではトップクラスの選手。

最近では、あの有名な世界チャンプの内藤選手に挑戦して話題になりました




僕は。



初・８回戦


ライトフライ



４Ｒ以上の経験無し

(新人王決勝は６Ｒやけど、２Ｒで勝ったため。)



課題は山積みやった



せめてミニマムとライトフライの間で闘いたい。



その要望は却下された




まぁ挑戦する立場、しかたあるまい





８回戦・チケットもいきなり増えた




京都出身の俺が、東京でこれを売るのが大変だった


練習も増えた





途中で契約体重が４９・５キロに変更




まぁいっかぁ



そんな事は、どうでもよくなってた



でも、山口真吾、そのキャリアも肩書きも知っていた俺は、


『プロ６戦の俺が通用すんのか？』


って思っていた部分があった






試合の日。





試合当日、入場の時に流す入場曲をホールに持っていくと、


ホールスタッフ

『これ、かからないです』



俺

『まじではい、わかりました』



思い入れのある曲



ちなみに曲名は、あの伝説の
(MISSION 005
from TOKIWA ﾚｹﾞｪ好きにはわかると思うけど)

結構凹む



しかたなく、友達の車からＣＤを借りる



さらに



試合を録画するビデオをホールに持っていくと







ビデオ壊れて撮れない




うそ～ん





電化製品に呪われてんのちゃう(笑)





格上相手にナーバスなってる俺に逆風が～



今やから笑えるけど


その時は笑えず




試合開始



１Ｒ・


警戒して、見る。




すんご～く見る。






見すぎ～見すぎ～


って言われる～



パンチもらってないけど、攻勢で獲られた



そして２～７Ｒは獲ったり、押し込まれたりした。



最終回、何と無く終わる


終わった時は、応援してくれてた僕の東京の友達は勝利したみたいに喜んでた



俺は

『敗けてる事もないけど、、、勝ったかなぁ。』




たしかに当てたパンチは俺の方が上。



しか～し


結果２ポイント差の０対３で敗けた～




でも納得したし、別に悔しくもなかった





何故なら山口選手は、すごい闘志で、
『敗けてたまるか』
ってのが伝わってきた。


俺は、

『勝ってるかもしれん、このまま、このままょ』
と、接戦にも関わらず、そう思いながら試合をしていた。



そら敗ける～




むしろ敗けろ(笑)



俺でも山口選手応援するわい


『冷静な試合運び』と
『逃げる』の微妙な差っていいますかね


まぁ敗けて当然





そして次の日、ジムへ行き、ファイトマネーを受け取る。




また休養する。







新人王になって、山口選手に敗けた。





でも壁は感じなかった。




『次闘ったら敗けん』




と思う一方、




俺みたいなんが新人王になれた事がすごい事やん



敗けた相手も強豪やし、まさに今、引退する時ちゃうの？？




葛藤・・・。





そして答えは






ボクシング







や～んぴ(笑)





引退




まずこの先、チケット売り続ける自信もないし


敗けたし


新人王なれたし



これでいい



って思った。




そして、俺は住みなれた東京に別れを告げ。




京都へ






お帰りやすぅ






した(笑)






この先に平和な毎日が








無い事もしらずに






次回




武市、チャラリーマン編




そして・・・



新展開へ



つづく